大脱出――健康、お金、格差の起原

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大脱出――健康、お金、格差の起原

  • ISBN:9784622078708

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内容説明

世界はより良くなっている―より豊かになり、より健康になり、平均寿命は延びている。しかしその反面、貧困という収容所から「大脱出」を果たせずに取り残された国や人々がいる。産業革命以来の経済成長は、大きな格差も生んだのだ。経済発展と貧しさの関係について最先端で研究を続けてきた著者が、250年前から現在までを歴史的にたどりながら、成長と健康の関係を丹念に分析することで、格差の背後にあるメカニズムを解き明かす。取り残された人々を助ける手立てをも示した、健康と豊かさの経済学

目次

本書で語ること
世界の幸福
第1部 生と死(有史以前から一九四五年まで;熱帯地方における死からの脱出;現代世界の健康)
第2部 お金(アメリカの物質的幸福;グローバル化と最大の脱出)
第3部 助け(取り残された者をどうやって助けるか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

134
この本は昨年のノーベル経済学賞をもらった学者が書かれたものだったのですね。知りませんでした。最近の傾向として低開発国や貧困からの脱出に向けての観点からのものが多いのですね。この本も、そのような傾向の分析で、ということなのでしょう。ただ分析が主でその後の解決法についてはあまり具体性が感じられませんでした。このような本を多くの人に読んでもらうということでこのような題名にしたのは成功していると思われます。2016/02/25

Willie the Wildcat

52
脱出の基準は、健康と所得の二次元。産業革命、病原菌理論・衛生改善の恩恵の表裏。結果、各国間、国内格差に繋がる。問題は、援助・支援の在り方と効能。医療援助は一定の効果も、経済援助は一時的・局地的。前者は吸収でOKも、後者は再生産に繋がる”道”が必須。多少身構えて読み始めたが、数字的な裏づけを基に、シンプルな論旨展開が意外でもあった。素人感覚だと、ピケティ氏の視点を交差させることで、更に論点に深まりがでるかなぁという気もする。2016/07/04

壱萬参仟縁

28
‘13年初出。はじめに で、健康と富の関係を一冊で語りたいという(12頁)。素晴らしい。人生満足度評価は、所得以外の人生の重要な側面を捉える(36頁)。幸福には人にとって良いもの、良い人生を生み出すすべての要素が含まれている。物質的、心理的幸福、教育、民主主義と法治による市民社会への参加など(38頁)。健康とは良好な健康状態で生きること(40頁)。健康と富は幸福のもっとも重要な要素(46頁)。2015/02/15

ちぃ

19
KennyのGetting Betterと論展開は似てるけど、こちらの方が開発のネガティブな点とか援助の失敗例/実害みたいなことを書いている。2018/04/07

zumi

17
ノーベル経済学賞受賞者の著作。年収900万以上になると幸福の感じ方が鈍くなるとして、幸福感に関する論を提唱したことが気になったので読んでみた。視点や指標の切り替えが多いので、異なる見方を提示してくれるのがありがたい。世界規模で貧困から逃れるためのメカニズムに関して。読みにくい...ことはないのかも。【以下、読書メモ】援助:×国◯人、物質的貧困、人生満足度と幸福感の相違、割合と金額→増加する値の相違で生まれる影響の違い、援助は必ずしも経済成長率と結びつかない、政策決定と被援助国の対象になりうる順の考察2015/10/22

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