内容説明
火星隕石に生命の痕跡が見つかった。世紀の発見を取材する記者・小日向に“ルカの末裔”と名乗る隕石論文の偽装告発メールが届く。研究室には、偽装疑惑の教授の遺体と、方舟型に固められた隕石が残されていた。火星隕石が秘めた、地球生命の“出身地”。偽装が隠す真実とは。すべての謎の証明は“天才”百地教授に託された! 東大院卒作家が研究の栄光と暗部を描く、傑作理系ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
171
冒頭の液体窒素による殺人事件から中段のサスペンス、意外な動機と犯人という本格ミステリの正統な展開に、伊与原作品では最も忠実に従っている。パンスペルミア説を証明する可能性のある火星隕石を巡る科学の謎を核に、科学者の名誉欲や金銭欲が絡む汚れた思惑が明るみに出るプロセスが面白い。しかも天才と称された惑星科学者が、飄々とした姿で名探偵ぶりを発揮するのだから。最近は科学をテーマにしつつ青春・人情小説へ傾斜している著者だが、ミステリを書く才能は一部の専業作家より優れたものがある。ぜひ今後もこの方向を深掘りしてほしい。2025/07/22
papako
55
『る』から始まる本を探していて、気になって。火星からの隕石を巡り、論文の偽装告発、殺人がおこる。隕石の調査や解析等々、専門的な内容が多く、ちょっと読みにくい部分もありますが、隕石や生命の起源にせまるロマンが感じられて、なかなか引き込まれました。研究者という人種の悲哀も感じられます。先日読んだ『捏造の科学者』でも感じましたが、『研究』という答えのない世界でがんばる人たちが陥る泥沼がひどく悲しいものだと思いました。次は『ね』2015/11/30
エドワード
50
帝都工科大学の笠見史彦教授は、「地球の生命は火星隕石から生まれた」と科学雑誌記者の小日向徹平に語る。本当かよ!火星。今は生命の存在しない星だ。そこから地球へ来た隕石に生命の痕跡がある?驚くべきテーマ、ルカの末裔なる人物からの脅迫メール、そして笠見教授の死。遥かなる宇宙科学と戦慄の殺人事件。ミステリーの2乗だ。めくるめく学術用語、研究者の人生を歩む者たちのドラマ、圧倒的に面白い。探偵役の天才・百地理一郎教授、どう解く?創作童話「博士が100にんいるむら」のブラックユーモア。それでも人は学問を目指すのだ。2026/02/22
kk
49
辛くて先の見えない生活にもめげず、いつの日にか大発見をモノにしようと自分の研究に打ち込む若きポスドクたち。そんな彼らがアカデミアの黒い側面に曝されて煩悶するなか、哀しい事件が起きてしまうのです。ハードなミステリー・ファンにとっては、ひょっとしたらプロット的に物足りないかもしれませんが、人の生き方や感じ方を描く物語として、kkは惹かれるものを感じました。「天才」百地教授のキャラも面白いし、悲しいストーリーではあるものの、読後感はわりと爽やかでした。2020/08/29
み
47
面白かった。内容も興味深い。百地のキャラも好き。結末は切ない。参考文献が凄い。 オーストラリアの描写、「クリムゾンの迷宮」(貴志祐介)で見たやつよね。2025/08/19
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