内容説明
猛烈な反腐敗闘争、戦後秩序を揺さぶる外交攻勢、急減速する経済の立て直し──。二〇一二年の総書記就任以来、習近平は猛烈なスピードで改革を進めている。基本的な方向性は間違っていない。しかし、まさにその改革によって、共産党一党支配の基盤は崩れていかざるを得ない。危ういジレンマに直面する中国は今後、どこに向かうのか。中国大使をつとめ、習近平を知悉する外交官が描いた「苦闘する超大国」の実情。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
31
★★☆☆☆今の中国の知識が全く欠如していることに気が付いた。中国の憲法の前文には共産党の指導のもとに中華人民共和国を作り、共産党の指導のもとに社会主義国家を作ると書いてある。中国人は過半数の人々が中国が軍事大国で当然と考えているという。中国古来からの思想である易姓革命に指導者は常に怯えているため中国共産党は統治の正当性を保つために国民が直接政治に関与している風に思わせるために必死だという。2016/08/27
ちくわん
19
2015年5月の本。著者は、習近平と会食されたこともある方。毛沢東、華国鋒、胡耀邦、趙紫陽、江沢民、胡錦濤、温家宝、そして習近平。他にも李鵬、薄熙来、などなど。中国を学ぶためのリアルなヒントが書かれている。2020/07/08
templecity
8
習近平と書いてはあるが習近平のことが書かれているわけではない。確かに近年開放政策の効果が表れ経済では成長著しい。一方で格差社会でもある。キャッシュレス化などはリープフロッグで一気に進む。土地収用も住民の権利はお構いなし。その分成長は早いが人権面では問題も残る。国のため人のためという志が必要で、中国も昔のような助け合いの気持ちが薄れてきているのは確かであろう。 2019/09/10
Humbaba
8
権力者であっても、何もかもを好きな様に行えるわけではない。それどころか、不自由なことが数限りなくある。力があったとしても、それを他者がそのままに理解してくれる保証はない。そのために力があることを示す必要が出てくるが、それは使いたくもない力を振るわなければならなくなるということでもある。2015/10/11
ぷれば
6
著者は外務省にてミャンマー、中国大使など歴任。本書はじめに「チーターよりも速く走っている象」と中国を例えている。とてつもなく多様で巨大な国が、猛烈なスピードで変革を成し遂げようとしている状況を見事にいい当てていると思った。中共の組織、権力闘争、権力バランス、そして「今→未来」を握る習近平。彼が目指す中国の夢、仕事のやり方など、他書ではあまり得られなかった分析も多い。習氏の力量ならびに権力掌握術は、如何ほどか!?冷静すぎるほど穏和な中国分析書。2015/11/14
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