内容説明
作家デビュー前の「わたし」が、寂れたD町のバーの店主だった頃、日々怪異なものばかり目にした……。事故を誘発するマグカップ。意志を持ったサイコロ。「金縛りに遭う様子を見ていてくれ」と懇願する客。人に言えないモノが映ったラブホテルの映像――。ここは磁場が歪んでいるのか、それとも「わたし」が引き寄せているのか? 戦慄の13編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
165
作家になる前の木下半太さんが大阪でバーの店主だった頃の実体験(?)を描いた13編の連作怪奇短編集ですね。本書の題名は間違いなく江戸川乱歩さんの古典名作短編「D坂の殺人事件」を意識されての事でしょうね。著者がバーを営業するD町は何故か次々と怪異な事件が続く異世界なのですね。『ときめき過ぎる男』はアメ村のメキシコ人屋台で買った仮面の描かれた不吉なマグカップが人々の死を招くのですが、その意外な真相は実は持ち主の願望を叶える能力で買った男が「みんな死んでしまえ」と呟いたからという真に巧妙でブラックなオチでしたね。2020/02/15
相田うえお
99
★★★☆☆20031 ん?『D町怪奇物語』 だって?木下さん作品なので怪奇モチーフのドタバタ喜劇集かな?と思って1本目を読んだら、ど直球の恐怖小説じゃないですか!(怖い系に免疫無しの当方にとっては、ですが。) それでも気合いを入れて残りの話を読み進めたら「こわ〜っ!」っていう話は13本中の数本だったのでまだ助かりました〜。(怪奇物語なのに、そんな言い方も変だけど。)どちらかというと奇妙系なんでしょうね。っていうか、後半になったら やっぱりドタバタ話になってるのがあったよ〜!それと、あとがきもよかったね。2020/03/15
ちーたん
83
★★★☆☆作家デビュー前の木下さんの体験記?寂れたD町のバーの店主だった頃の怪異な13話。①『ベランダの女』が…②『ときめき過ぎる男』のマグカップ…③『真夏の妊婦』がずっと…④『おれ、ひところしてん』と聞こえ…⑤取材した『廃墟の三面鏡』⑥サイコロが…『魔物』⑦『真夜中の怪談大会』の勝者は…⑧『押し売りマジシャン』のDVD⑨金縛り『黒いスカート』⑩事故物件『夫婦幽霊』⑪車の『うしろを見るな』⑫『カウンターの復讐屋』は…⑬出会った『シンデレラと死神』◆実話風なので奇譚テイスト。笑えた⑩と一番長編の⑫が好き!2020/10/24
papako
73
面白かったー。作者らしいホラー短編集。いろんな怖さがある。かなり短いので、テンポよく怖がれる。『真夏の妊婦』とかめっちゃ怖い!『カウンターの復讐屋』なんて長編いけそう。どれも仕掛けがあって、ちゃんとオチがあってすごい。しかし読んでると、どうしてもマスターがマッキーになってしまう!うん、面白かった。2020/06/11
aquamarine
69
木下さんらしいホラー短編集。この厚さに13編も入っているので短いものは10ページ程度で夜眠れなくなるような怖さではないです。でも結構ツボはついてると思います。「夫婦幽霊」はそれでいったい何を伝えたいの?!ですが物件の事故がその結果なのかものすごく気になります。「カウンターの復讐屋」が違う意味で怖いかも。でも私は真剣に状況を考えてあとから怖さが伝わってくる「真夜中の怪談大会」がベタですごく好きだったりします。作者のバー経験から、とのあとがきが実話?と読後想像してしまい…。D町には絶対住みたくないですね。2016/04/01
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