内容説明
2011年5月公開映画の原作小説。
賢は大学で映画研究会に属している。今回は賢が監督で映画を撮ることになった。映画のヒロインには同じく映画研究会に所属する杉崎莉沙が選ばれる。莉沙も実は監督志望、賢が書いた脚本のセリフをめぐって言い争いとなり、賢は莉沙と少し険悪になる。撮影は進むが、莉沙の最後のワンショットを残して、彼女が交通事故に遭い死んでしまい、映画は頓挫する。そんな時、賢は街で莉沙にそっくりな女性を見かける。追いかけて話を聞くと、莉沙の双子の妹の洋子だった。賢は洋子に白羽の矢を立て、彼女を起用して最後のワンショットを撮影し、未完の映画に終止符を打とうとする。大学の映画研究会のメンバーを招集して撮影の再開を告げる賢だったが。集まったメンバーたち、そんな賢の申し出に、何故か戸惑うのだった。「見えないもの。手で触れられないもの。あるってことを証明できないもの。それを信じて欲しいんだ」ひそかに莉沙に思いを寄せていた賢には、深く胸に突き刺さる彼女の言葉だった。2011年5月公開映画の、監督自らが執筆した原作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
和尚
8
妖怪アパートの幽雅な日常を探してたら、「世界は狭いはずがない」っていう表紙に引かれて購入。でも、まぁまぁ、って感じかなぁ。大学時代の、遠くに行きたいけど、何かしたいけどって気持ちそのままの、曖昧な感じの物語だったような。収束しないもやもやだなぁ。2011/04/23
tenma
1
自分ではとても遠くに来たつもりでいても、その実ほとんどその場から離れられていないことがある。同じところをぐるぐる回っているような感覚。その所為か、主人公の賢よりも、同級生であるはずの光浦や井上、佐久間の方が幾つか年上のように感じてしまう。決して、賢が成長していないのではなく、大人に成り切れていない何かをそこに感じるからだろうか。2011/08/02
司書
1
ん?って感じの本でした2011/04/17
にやり
0
ふぅーむ…2012/01/25
Ánië Tasartir
0
私には、映像(莉紗)と音楽(光浦)と物語(高橋)の、映画という永遠の三角関係の話に思える。そして、見えないものを見せるのが映画の使命なのだと。映像が死に、音楽が堕落するとき、物語の力が映画を救う。2012/01/06