内容説明
大型旅客機の墜落から16年後の夏――大惨事の背後に隠された謀略の存在が浮上した。折しも、事故に深く関わったと見られる北朝鮮の女工作員〈由沙〉が東京に出現し、にわかに防衛庁、米軍、北朝鮮、さらに正体不明の男たちが暗闘を始める。時を同じくして、墜落で母を亡くした遺児恭祐の身辺も激変した。新任保護司の異常な介入、不審なビル火災、ついには父浩太朗が何者かに殺された! 外務省内の抗争も絡んだ三つ巴の諜報戦を、最後まで踊り続けるのは誰だ?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
22
再読。2014年830冊め。10年ほど前にこの著者にはまってたくさん読んでいた。久しぶりに再読。日米朝関係はいつでも三つ巴。2014/10/02
扉のこちら側
16
初読。著者は元防衛省で極東問題を担当していて、顔や本名を明らかにできないとのこと。それだけリアルなスパイ小説。タイトルのスリーウェイワルツ=日米朝の三つ巴の意。2004/10/02
Rin
11
相変わらず、日本については辛口です。でもそれは、日本や日本人に対して「しっかりしろ!」と伝えたいのかな、と思います。強かに生き抜く由沙が恭祐に伝えた言葉が重かった。簡単に決めつけず、たくさんの事を学び経験して。目の前の問題から逃げず、自分自身で決める。立ち向かって勝つこと。そらは、とっても難しいけど読み終わった後に少しでも強くありたいなと思いました。本編主人公もアナリストとしてばっちり少ないながらも存在感を出してます。2014/07/05
藤月はな(灯れ松明の火)
11
「鉱物シリーズ」での御馴染みキャラクターが大活躍☆これで「鉱物シリーズ」外伝5冊のうち、3冊読破したことになります。ぐれていた主人公がだんだん、成長していくのがよかったな。最後の最後でまさか、あんな真相が出てくるとは予想できずに読了後、呆然としてしまいました。某アナリスト君と陰険(笑)上司との漫才めいたやりとりにくすくす、笑いつつ、家族のつながりの強さや国によって翻弄された人々のことを考えさせられる作品でした。また、この作品の続きが出版されたらうれしいです。2009/09/24
Alice@JazzCafé
8
五條瑛のスパイ小説はやっぱり面白い! 冷血で極悪非道なスパイだと思っていた由沙の人物像が徐々に変化し、気が付けばいつの間にか頼もしくカッコイイ叔母さんになっていた! 誰が正義で誰が悪なのか、一体何(誰)の為に?と言った謎解きも面白い。でもやはり印象に残るのは、エディと某アナリストのやり取りだったり、由沙と恭祐が築いた絆だったり、亡くなってから知った両親の愛情だったり....そんな人間関係が魅力的な小説でした。2010/12/01