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内容説明
ヨーロッパは他地域に対し、ずっと優位にあり、覇権を握っていたように思われてきた。しかし、それはたかだか一九世紀に達成されたことにすぎない。本書は、オランダ、ポルトガル、イギリスなど近代ヨーロッパ諸国が勢力を拡大し、世界を一変させた過程を追う一冊である。「軍事革命」で他の地域に優る軍事力を手にし、近代国家のシステムを発明。その後、大西洋貿易で力をつけ、アジアへ――。現在の世界は、どのように形成されたのか。そして、どこに向かっているのか。現代世界を考える上でも必読の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
53
ヨーロッパはなぜ世界の覇者となりえたのか、経済史学的に考察した本。西洋史を勉強する上で、因果関係がかなり整理された。2015/12/14
ようはん
22
ヨーロッパが明確に世界を主導する形になるのは19世紀以降ではあるが、それまでの流れを見るとターニングポイントは新大陸発見でそこから生まれた植民地支配による経済と海運を主体とした交易の発展が大きい。アジアの雄であった中華は鄭和の大航海以後は海洋政策に消極的になったのが痛い2025/03/28
masabi
22
ヨーロッパがいかにアジアを圧倒し覇権を握ったのかについて述べられている。興味深いのだが、新書の分量に合わなかったように思える。それぞれの項目や用語を深堀りしてほしい。商人ネットワークが先行し、国家が支援利用する形でヨーロッパの膨張が始まり、ポルトガルやイギリスの海洋帝国が誕生する。イギリスが抜きん出た理由は各国との貿易や植民地貿易において徹底的に英国の利益になるようにゲームのルールを設定したからだ。海運業、保険、電信、自由貿易。2015/12/01
TS10
17
世界システム論と輸送技術の優位を根拠に、欧州覇権の展開を簡潔に概説する。他の欧州諸国に先駆けて大西洋世界に進出したスペインやポルトガルが覇権国になれなかったのは、ネーデルラントにその富が流れたからであり、オランダやフランスは財政の集権化、近代化の点で遅れを取り、イギリスに優位を譲ったという見立てである。欧米の経済優位に関しては、運輸、保険、情報産業等での覇権から、暫く変わらないと言う。但し、製造業では、労働者の本来の賃金から収奪することによって、今後の企業の競争が展開されていくことになるとする。2025/07/11
ピオリーヌ
17
ヨーロッパ中心主義について経済、特に貿易史の観点から平易に語られる。スペイン経済は十七世紀になると急速に衰退したという従来の説は貿易史の立場からは支持できず、スペインは十九世紀になっても、なおヨーロッパを代表する貿易国だったという。大西洋貿易の嚆矢はポルトガル、スペインと言われる。ただポルトガル、スペインはヘゲモニー国家とならなかった。その理由として、奴隷貿易の利益はポルトガルやスペインに蓄積されず、アントウェルペンに向かった可能性が高いという事が挙げられている。2021/02/20
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