ハヤカワ・ミステリ文庫<br> ケチャップ・シンドローム

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ハヤカワ・ミステリ文庫
ケチャップ・シンドローム

  • ISBN:9784151815010

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内容説明

「今からちょうど三か月前に、彼を殺したんです」両親と妹二人に囲まれて暮らすイギリスの女子高校生ゾーイは、サイトで知ったアメリカの死刑囚スチュアートに宛て、秘かに手紙を書いた。家族のこと、アルバイトのこと、私が二人の男の子にしたひどいこと――罪を犯したあなたなら、わかってくれるはず……ゆっくり紐解かれる、ゾーイが綴る〈ほんとうのこと〉とは――アメリカ探偵作家クラブ賞ヤングアダルト部門受賞作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

34
囚人に自分の犯した犯罪について告白する女子高生。いやこんなに実際に見ず知らずの男性に自分のセックスライフ語るかな?と違和感。2017/05/31

飛鳥

25
イギリスの女子高生ゾーイがアメリカの死刑囚スチュアートに自分が犯した罪を手紙で独白していくという物語でした。同級生のマックスと彼の兄アーロンとの恋愛から起きた悲劇が少しずつ語られていきます。罪の意識に苛まれながら、悲劇が起こる数か月前から起きた数か月後の事を隠さずに語られます。二人の兄弟のことだけではなく、家族のこと、バイトの事、友達のこととが少しずつ語られる物語に引き込まれました。明るい物語ではないですが独特の味わいがあって楽しめました。2017/05/27

本木英朗

16
イギリスの女子高生ゾーイがアメリカの死刑囚宛てに送る書簡で綴られる、ある悲劇の回想と自身の再生の物語。という風に少女視点で見るならば、なかなかに良くできた物語である。しかし一方的にこの手紙を送りつけられる死刑囚の立場から考えた時、かなりグロテスクな様相を呈する物語でもある。そのグロテスクさは結局、自己を客観視できない若さがもたらす無神経さに由来するものであり、どこまで行っても提示される世界の主人公はゾーイでしかない。それはそれで、リアルでよいのだけれど。しかしまあ、はっきり言って好きになれない世界だ。2015/11/26

くさてる

14
死刑囚に「あなたならわかってくれるはず」と自分の犯した罪を綴った手紙を送る女子高校生の手紙で構成された一冊。個人的に苦手なヤングアダルトと気づかず手にとってしまい、案の定苦手なところをグサグサ刺されて辛かったのですが、それでも読み進めずにはいられないリーダビリティの高さでした。ヤングアダルトの「純粋さ」「初々しい恋」「罪」「生と死」というテーマに惹かれるかたには間違いなくおすすめ。しかし、手紙は主人公のもののみで良かったのではないかな。2016/01/06

nightbird

11
誰にも知られていないけれど自分で自分を許されない罪人だと思っている語り手、長い長い手紙の中で語られる3人の男女の関係、秘密が生んだ悲劇。こういう本をどっかで読んだことがあるんだけど、なんだっけ?と思い出だせないまま読んでいって、話が後半に入ったあたりで「あ、『こころ』(漱石)だ」と気がついた。文通相手の死刑囚側の気持ちは一切描かれないけど、彼はどういう思いでこれを読んでたのかな。たまに失礼だったり無神経なことが書いてあったりもするんだけど。先が気になるシリーズものになってたから楽しみだったかな?2015/11/19

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