内容説明
ケルンで起きた連続猟奇殺人事件の被害者はいずれも腕や脚などの体の一部や内臓が失われていたため〈解体屋〉事件と名づけられた。捜査本部に呼ばれたのは、伝説的事件分析官アーベルと若き女性分析官クリストのふたり。アーベルは変わり者だが、きわめて有能、その分析手法は独特だった。まず遺体とふたりきりになり、遺体の声を聞くことから始めるのだ。クリストは戸惑い反発しながらも貪欲にすべてを学び取ろうとする。それぞれ心に傷を負った二人に相対する「人形遣い」と名乗る連続殺人犯とは何者か? ドイツミステリ界の大型新人デビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
74
ドイツ発サイコサスペンス。人間を解体する解体屋「人形遣い」と二人の事件分析官の戦いを描いている。こういうサスペンスは『羊たちの沈黙』以来一定の型があって、トラウマを抱える犯人、それに挑む刑事、登場人物の危機、そして解決という流れが多いように思う。本書もその流れに沿っているのだが、犯人のトラウマとかがちょっと類型的。あと事件解決もプロファイルとは違う所がヒントになっており、それもちょっと気にかかった。ただ最後の脱出方法等は利用したものが面白いかな。最近サスペンス読んでいなかったので、楽しんでは読めたけど。2018/06/07
GAKU
59
ドイツの作家さんのデビュー作。変わり者だが優秀な事件分析官アーベルと、彼の助手となった女性刑事ハンナ。解体されて内蔵を抜き取られる、猟奇連続殺人事件を追うという内容。私好みのジャンルでそれなりには面白かったのですが、なんとなくどこかで読んだような感は否めない。偏屈オヤジと、魅力的で優秀な女性コンビ。残虐な犯行。犯人の生い立ち。それぞれが新鮮味に欠ける設定でした。何かサビ抜きの寿司を食べたような物足りなさ。暫くしたら読んだことを忘れそう。微妙な1冊でした。2016/08/03
みみずく
35
新しいドイツミステリシリーズ。 一匹狼の事件分析官アーベルと、その助手となった若く優秀な女性警察官ハンナ。この二人がケルンで進行中の連続猟奇殺人事件の分析を担当することになる。とにかくケルンの首席警部グライナーがよかった!どんなドアも破れるくらいの巨漢で、少しはダイエットの文字が頭をよぎるけれど秘書に内緒でチョコを食べるのが好き。優秀でありながら、結果を出すためなら胡散臭く思う事件分析も取り入れようとする柔軟さ!あぁ、書けば書くほどグライナーとお別れするのがさみしい!この先また出てきて欲しい2015/11/28
み
31
う〜ん、なんで?あの2人が良い関係になったのか?読解力を上げなくては…。お話しもグロさは強烈だけど、意外性がなくて、ちと残念なり。赤堀先生風なキャラは好きでした、そちらのお話しあれば読みたいかも。2016/01/02
タカラ~ム
28
ドイツ発のシリアルキラー物のミステリー。独特のプロファイリング手法で事件分析にあたるアベールと、彼のサポート役として行動をともにする若き女性分析官のハンナ。そして、彼らが対峙する《人形遣い》と呼ばれる殺人鬼。シリアルキラー物は、ミステリーの題材としてはお決まりのパターンだが、本作もその王道にある。中盤以降の展開は疾走感もあって良かったように思った。2015/12/13
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