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内容説明
終戦直後「皇居前広場」という言葉が性交を連想させるほど野外性交は一般的だった。しかし、待合・ソバ屋・円宿などの施設が生まれ屋内で愛し合うようになった。日本の性愛空間の歴史を辿る建築史の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
339
先に(といっても、もう随分以前の1984年)『霊柩車の研究』(これはすごく面白いのだが、残念ながらもはや宮付きの霊柩車が姿を消して久しいので価値がやや下落)を上梓し、タナトスの次はエロスだというので本書が生まれた。膨大な小説群を渉猟し、そこから「愛の空間」を炙り出すというのが本書の取った方法。待合はともかく、宮城前広場や蕎麦屋の2階がそうした空間であったことは初めて知った。ただ、この人の著述にしては、やや面白みに欠けるような気がする。文庫化に際して、最近の動向の部分がカットされたことも影響しているか。2019/03/25
ウイロウ
8
ひとつ前に読んだ『性と愛の日本語講座』の中で、小谷野氏が「本書を書くに当たっては井上さんの方法にずいぶん刺激を受けた」と言挙げした一冊。折よく文庫化されていたので早速手に取る。ただし文庫版あとがきによれば、元版の六章・七章は省いてあるらしい。それでも、「性愛の場所が屋内へかこいこまれる歴史をおいかけ」るというテーマ自体が新鮮に思えたし、かつてはいわゆる青姦つまり屋外での性行為が普通であったという事実にまず驚かされた。文学作品を中心に、回想録、新聞や雑誌の記事、ルポ、各種統計などの資料を幅広く駆使した労作。2016/01/14
seichan
4
皇居前広場がかつてはアオカンの名所だった……ていう掴みの部分から、日本の性愛をめぐる空間が屋外から屋内へと移り変わる過程を、雑誌や小説などから丹念に掬い上げている。待合と売春の関係、芸者とカフェ、「連れ込み」とはかつては女→男の意味だったとか、そば屋や食べ物屋の二階の機能、鍵付きの空間というだけで「淫靡」とされた感性、都心と郊外と田舎での時間差や感覚差などなど、興味深い話がいっぱい。民俗史としてけっこう重要だと思うんだけど。なお単行本収録のラブホテル絡みの考察は、後日改めて論考とのことでカットされてる。2016/09/09
バッシー
1
おもしろい。かつての日比谷公園や皇居前広場の姿は、今では想像もつかないなと。20年以上前に出た本なので、今後のアップデートが望まれる。2023/03/15
nranjen
1
京都・・・から井上章一にはまっている。蕎麦屋の二階にそんな意味があったなんて!?2016/05/13
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