内容説明
契約数減に悩むケータイキャリア『セルラーコム』の営業マン・中林雅史は最近の仕事に手応えを感じず、暇があればスマホで転職サイトを覗く日々を送っていた。しかし、ある雑誌広告グラビアの撮影立ち会い時、彼は仕事熱心なアイドル・歌織と出会った。大人たちがただの小さい案件と割りきって「こなす」中、唯一ひたむきに仕事に向き合う歌織に雅史は心を打たれ、彼女のグラビアを良い物にしたいと行動する。結果完成した広告の評判がよく、宣伝部に引きぬかれた雅史は、歌織を広告塔とした、プロモーションプロジェクトを本格的に担当することになり……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
契約激減に悩むケータイキャリアの営業・中林雅史が、ふとしたキッカケから宣伝部に異動になり、駆け出しのアイドルとともにプロモーションに挑むお仕事小説。要所要所でマーケティングの基本を押さえつつ、キャリアが大好きで仕事熱心なアイドル歌織や、シビアな上司東雲さんらとともに逆境を乗り越えて何とかプロモーションを成功させようとする、さらっと読めてそれでいて最後まで諦めない主人公たちの情熱を感じたお話でした。この辺の全体の展開とか構成の上手さは著者さんらしいですね。インパクトはないですが、安心して楽しく読めました。 2014/09/16
hnzwd
20
契約数の減少が激しい携帯キャリアの広告宣伝部を舞台にちょっとだけマーケティング。用語はちょいちょい出てくるけど、今までの作品よりも少なめ。軽く読めますが、、オチも予想の範疇で軽めかなー。まぁそれを承知で読んだんですが。2014/09/21
Yobata
20
大手に遅れを取る携帯電話会社「セルラーコム」の営業部だった中林雅史は宣伝部の仕事の手伝いとして広告作りの現場に立ち会い、この仕事に意欲を燃やすアイドル来栖歌織と出会う。その時に出来た広告に目をつけた宣伝部長に宣伝部に引き抜かれた雅史は仕事に厳しい東雲末那の下で働くことになるも…。不思議系上司シリーズの水沢あきとさんのビジネス成長もの第二弾。今回は宣伝と営業。セグメントやイノベーター,AISASなどマーケティング語が飛び交う中でもわかりやすく,入り込み易く描かれていたと思う。その分経営企画部による企業内→2014/08/28
ymartak
15
アイドルを主体に描くのではなく、宣伝の仕事を通じてアイドルと関わる事になった主人公の奮闘を描く作品。「不思議系上司〜」と同様、仕事部分の仕組み的な描写をなおざりにせずきちんと押さえている所に好感。ストーリーの方は、本当にこんな展開になればさぞかし仕事が楽しいだろうと夢を見させてくれる内容。ウルトラCの逆境脱出にはやや面食らったものの、トータルでは非常に楽しませてもらった。2015/02/06
ヤギ郎
11
あっさりして読みやすい。エンディングもしっかりと締めているので心残りはない。フラグが立つシーンはほとんどなく、深みがないといえば、頷く。水沢さんの『不思議系上司の攻略法』を読んだ者として、同じ会社を舞台にしているからか主人公キャラが似ている。 現実に妄想を加えるという志向の本なので、リラックスして気分転換に読める本だと思う。2014/08/30