NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか ―法・ルール・規範なきガバナンスに支配される日本

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NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか ―法・ルール・規範なきガバナンスに支配される日本

  • 著者名:上村達男【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 東洋経済新報社(2015/10発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492223666

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内容説明

NHKでいま、何が起きているのか。その時、歴史は動いたのか。失われた法治を取り戻すには、どうすればよいのか。反知性主義が横行する時代を探る。

上村教授は、NHK経営委員会委員長代行として籾井勝人NHK会長のさまざまな放言に対して、圧力に屈せず「放送法に反する」と直言し続けた。
2015年2月、NHK経営委員を退任した会社法の権威が、経営委員会における籾井会長などとの論戦や出来事を「反知性主義」をキーワードに明らかにしていく。
「反知性」が支配する組織運営や意思決定の「病原」を探る歴史的証言。

同時に、法制審議会委員として経験した「会社法改正」審議や、法学部長として経験した大学改革をもとに、重要な意思決定や組織運営が、法・ルール・規範を無視し、「空気を読む」ことにだけ長けた反知性主義的ガバナンスに日本が支配されていることもNHKをめぐる動きの背景として明らかにする。

「籾井会長は経営委員会が指名したのですから、私にも経営委員の一人としての責任があることは間違いありません。(中略)本書のような書物を出版することで、問題のありかをすべてさらけ出し、NHKの今後のあり方を検討するための素材を提供することこそが、私にできる責任の取り方と考えるほかはありませんでした。」(本文より)

「私は、籾井会長の存在を許す現在の風潮、そこに見られる反知性主義的な空気にも本書で触れました。実は籾井会長問題はNHK問題だけを意味してはいないと強く感じたためです。そこでは、長年積み上げられた学問やその道の専門家の意見に敬意を払わず、報道の自由や学の独立に価値を見出さず、事あるごとに多数決を振りかざして少数意見を尊重しようとしない、きわめて反民主主義的な現在の政治状況があります。」(本文より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

35
経営委員をつとめた上村センセイの籾井会長批判本。反知性主義とまでうたうほど呆れる人物なんですね。膨張しすぎて民放を圧迫している公共放送のあり方を考えさせられます。途中、センセイお得意のガバナンス論に入り込み過ぎたり、余談が多すぎたりして読みにくいのが難点。2016/04/17

たまきら

15
立ち読み。4年間をNHK経営委員会委員を務めた早大教授が現在のNHKの状況について書いた本。NHKおかしくね?と感じるのは左翼でしょ、なんてカテゴライズする前に冷静に観察しましょう。一部の人の利益が優先されていないでしょうか。研究者や有識者、弁護士連盟らがのきなみ反論しているのを完全に無視するような政権のやり方はおかしくないでしょうか。あなたの意見には不賛成だが、その意見を唱える自由は尊重する、という民主主義的な態度をこの国は失いつつあります。それはまた狂信をうむ土台になってしまうのではないでしょうか。2015/10/28

nori

8
I agree with authors idea of corporate governance and believe 籾井 should not be suitable person in broadcasting company. However, there is lack of idea; Raison d'etre of NHK. NHK should be disassembled, then privatized and stop correct money from viewers.2016/05/11

チェアー

4
勉強にはなるが、読みにくい。もっとNHK会長とのバトルの裏側を書いているのかと思ったら、そこは守秘義務があってNG。みんな知っているやりとり以上のものはなし。NHKの組織的な不備を指摘したうえで、あるべきガバナンス論を示していた。会社法に詳しくないと読みにくいなあ。ただ、NHKの反知性主義は安倍政権の反知性主義が源流との指摘には納得感じがありやした。2016/01/04

mago 6y

3
面白く読ませて貰った。籾井前会長の人格が良く分かる。その選出に責任があるはずの経営委員会の委員として苦労をされたことも推察できる。だが、罷免できなかった説明はやや弁明に終始しているように感じる。「政府ないし官邸の意に反して罷免した場合に、後継者が仮に選ばれても会長職が無事に務まるのかといった不安がないではありません」とある箇所は、まさに今問題になっている「忖度」そのものではないでしょうか?2017/06/06

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