内容説明
大胆な仮説を掲げ、秀抜なトリックを駆使した、記念碑的代表作! 日本重化学工業の田辺工場長が相模湖畔で他殺死体で発見された。捜査の末、工場のたれ流し公害のため妻子を失った東陽大講師の三浦八郎が容疑者として浮かんだ。しかし、三浦は“芭蕉忍者説”解明のため、東北に旅行中だった。アリバイは崩せるか……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
35
これはよくできてるなー(なぜか上から目線w)無難な旅情ミステリかと思いきや、公害問題、汚職事件、松尾芭蕉忍者説を無理なく絡めてある。ついでに言うと、斎藤センセお得意の将棋ネタも入っていて…。公害によって死者を出してしもた会社の工場長が殺害される。当然、真っ先に疑われるのは公害被害者の家族。ところが彼のアリバイは鉄壁なのに、ほどなく自殺してしまう。彼の遺書と研究ノートに違和感を覚えた刑事たちが真相を求めて再捜査。彼を自殺に追い込んだ人物は誰か?その人物の事情、役割がオープンになるラストはめっちゃ興味深い。2020/01/19