新潮文庫<br> 人生について

個数:1
紙書籍版価格
¥605
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫
人生について

  • 著者名:西尾幹二【著】
  • 価格 ¥671(本体¥610)
  • 新潮社(2015/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101261522

ファイル: /

内容説明

生きる苦しみと理不尽、そして死の恐怖……人生には解決のつかない難問がいくつも横たわる。稀代のモラリストが怒り・虚栄・孤独・退屈・羞恥・嘘・宿命・教養・苦悩・権力欲といった現代人の諸問題について冷徹な人間観察と鋭い心理洞察に基づく思索を重ね、自身の体験を交えつつ平易な文章で語る。著者が「最高の作品」と自任する本格的エッセイ集。『人生の深淵について』改題。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大先生

11
全体的にテーマが暗い。西尾さんの人生は暗かったんですかね?重苦しくて途中で本を閉じそうになりましたよ(苦笑)ただp213以下の「宿命について」は読んで良かった。約30頁の間に「いったい人は『自由』という思想にほんとうに耐えられるほど靱い存在なのだろうか」と3回も問いかけています。また、人権尊重思想についても、犯罪者の人権を尊重するあまり「論理のひっくりかえり」が起き、犯罪人に寛容で被害者に非寛容を要求することになっていると。何でも厳罰化すればいいってものでもないですが、被害者を忘れてはいけないですね。2021/02/08

Hepatica nobilis

10
保守の論客ではニーチェ研究の権威だが、『人生について』というごく平凡な題名で文庫を出している。こういう場合きっと角が取れて丸くなり日和った内容に変わってるんだろうなどと思いながら読み始めた。これは悪くないというのは生意気だが、平易な文章ながら甘くなく、口当たり良いという内容ではない。指針めいたものを示さず、救いを求める者を崖から突き落とすような厳しいもので、近寄りがたい。この本はもともと『人生の深淵について』という本がもとのようなので、その方が相応しいと思った。良い本である。2018/01/06

アメヲトコ

4
『新しい歴史教科書』のイメージの強い著者ですが、こちらは彼の本領である人間哲学の書です。人間のどうしようもない弱さと醜さを冷徹に剔りながらも、それでも根柢には人間への確かな信頼があり、そこに救いがあります。品のある文体は苦吟の跡を残さないほど平易で、体験をもとにしたエピソードはいちいち身につまされます。個人的には「羞恥について」の「人は謙遜の仮面を被ることはできても、羞恥の仮面を被ることはできない」の一文が心に残りました。座右に置きたい一冊。2015/05/30

3
著者の別冊を、学生時代に授業で使用した時、初めてその言葉、文章に触れました。最近、その時に使用した本を再読し、何故か、とても励まされた気がしました。そして、本屋で偶然、本書を見付け、迷わず手に取りました。ここには、著者の、とても実直な、偽りのない言葉が、実感が書かれていると思います。そしてそれは、少なくとも、人間について考察したことのある人ならば、共感出来る部分があるものだと思います。少なくとも私にとっては、著者のように感じ、生きている方がいらっしゃることは、或る意味では救いのように感じました。2015/06/19

yukioninaite

1
大変面白い本でした。怒り、虚栄、孤独、嘘、死、宿命など、丁寧に、ご自身のことを正直にそして過去の思想家がそれをどう思ったのかを書かれている本です。2015/08/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9700716
  • ご注意事項