内容説明
小西行長、魔将と化す! 国の存亡を賭けた大勝負。十六世紀末、太閤・豊臣秀吉が仕掛けた朝鮮出兵。狂信的キリシタン大名の小西行長は、加藤清正らライバル武将に先んずるため、首都漢城の争奪戦に暴虐の限りを尽くし進軍する。対する僧兵・元信(ウォンシン)が主導する朝鮮軍は圧倒的少数だが、驚きの秘策が……日本軍三万と朝鮮軍五千が激突した実在の戦闘「幸州山城の戦い」を材に、傑作『徳川家康』の主人公が活躍する、大興奮の歴史活劇巨編! 「禿鷹の要塞」改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カツイチ
6
荒山徹ならではの伝奇物を期待したが、最後まで柳生も妖術も怪獣もなくその点は肩透かし(あとがきに作者自ら本格物を目指した、とのこと)。しかし、小説でも映像でも、朝鮮出兵を詳しく描いたものはあまりないので面白かった(荒山徹曰くNHK「軍師官兵衛」の及び腰)。朝鮮vs日本だけでなく為政者と下層民、差別・迫害を受ける人、信仰に取りつかれた人、同僚の足を引っ張る将官……多面的に描いて、戦争や歴史理解の難しを考えながらも物語として楽しめた。2016/01/17
URI(病気養生
2
禿鷹の要塞の文庫版。あとがき目当てだが「慶安の役はエンタとしてもいい時期でないか」というのはまだ早計か。ただそれには戦争の道義には正も悪も無いが、巻き込まれる民には悲惨さはあるこういうことを丹念に描く、認識することが必要ではないか2015/12/06
冬至楼均
1
あの「徳川家康」の前日譚。伝奇色は控えめ。2024/08/27
澤唯
0
いやー面白かった 朝鮮版のぼうの城とでも言いたくなるような歴史小説 感想はいろいろあるけれど ひとつだけ言うとしたら「女と石はすげえな」ってこと トクチョンカガンの前日譚を読めてよかった2017/12/22
tako_machida
0
初めて読んだ作家さんでしたが、秀吉の朝鮮出兵、中でも幸州山の戦いを日朝両側から描かれており、面白かったです。悪役に描かれている小西行長のイメージが変わりました。2017/11/08