内容説明
秘蔵されていた、日本海軍中堅幹部の肉声として話題を呼んだ、「海軍反省会」。本書は、その、第11回から第20回までの議事録を収録した、「証言録」第2弾である。この巻には、軍令部からは、暴走と思われていた、山本五十六連合艦隊司令長官の作戦指導。潜水艦戦に関しては、潜水艦勤務の経験のない参謀が潜水艦作戦を指導していたこと。そして、回天特攻の背景について、第六艦隊参謀であった鳥巣健之助氏の憤りを交えた激しい証言。また、海軍砲術の大家と目されている黛治夫氏の、日本海軍の砲戦に関する克明な報告など、多くの証言が含まれている。今回も、戦史ファン・研究家にとって、読みどころ満載の一冊となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kamabonz
6
運営に関する話が出るあたりは、ご老人のクラス会ノリな感じがして、なんかほっこりしてしまいました(読むの大変だったけど…)。 今回、新たな知見としては、黛治夫の砲戦に関する戦術の失敗と、潜水艦戦のそれでした。 どちらも専門家の立場から各術科を戦争遂行の要素として訴求しているのですが、だったら勝てたかというとそんなことはなかったのだろうと思いました。 ただ、専門家の所見をないがしろしにしてしまった体制については問題があったと言わざるをえない。 命のやり取りをしているだけに迫力あるのですが、ちょっと軽いかな2016/09/25
ぽん
6
前巻だけでは、反省会がどういう形になったのかよく分からないと思ったので、これから続巻が出される事は良かった。基本的に海軍の反省会で、当時の主立った人々はいない場所、世間に全てを発表するつもりは無い事をふまえても、鵜呑みにするのは難しいような気も。ただ、人間性や人格が戦術に反影はしない事実を理解しながら進まざるを得ない状況に立たされた冷静さを持っていれた人は苦しかったろうとは思う。でもこれは戦争反省会ではないんだ、という内容でした。2011/07/31
YS-56
6
今後10年程度でこの反省会の全記録を書き起こして頂けるそうなので、その努力に感謝したいです。今回の中で印象に残ったのは、レイテ沖海戦時の艦隊司令長官、栗田中将が大和の性能を知らなかったかもしれない事、でしょうか。戦後の米軍の調査で呼ばれた時に、『乗ってただけで、何もしらない』という回答をしたと、当時の四航戦司令の松田少将が述べているのを読んで、驚くどころではなかった点と、人事制度で参加者が一様に人事は公平だったと語っているのを読むと、何かその辺りに問題があるんだろうなと思うところです。2011/01/01
ごいんきょ
3
大変勉強になります。 まだ続編があるので、そっちも興味深いと思います。2013/05/15
junkoda
2
陸軍の「手足が多くて」どんどん書類を持ってこられるから押されたというのはよく分からない。あと、開戦以前と以後では違うだろうし。2018/03/04