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内容説明
信長・秀吉との交流、草庵茶湯の大成、そして悲劇的な賜死――。本書は、劇的にして謎に満ちたその生涯に対峙し、史料の精緻な読解にもとづく論証によって、茶聖の人物と思想、さらに日本文化史における位相を究明する。人間・千利休を鮮明に描き出し、研究者のみならず茶道界にも衝撃を与え、その後の利休像を決定づけた不朽の名著。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
6
大元になつてゐる本は、1971年刊であり古典といつても良い研究であるが、千利休の評伝としては行き届いたもので、しかも古びてはゐない。茶の湯の前史、連歌との関係、利休書状の右筆問題など、いまに続く論争的な要素も取り上げられてゐる。索引がないのが残念で、自分で付箋を付して使ひやすくしてゆくしかない。2023/07/26
おらひらお
6
2004年初版。もともとは1977年刊行の本を文庫化したものであるが、古さを感じさせない。主な指摘は千利休に祐筆がいたこと。刊行当初、批判が多かったが、現在では祐筆の存在は定説化しているらしい。やや内容は難しいが、面白い一冊。2011/09/25
Noelle
4
時の為政者秀吉との関係において、利休のわび茶が始まったこと、また、その後継者としての宗旦、織部、遠州と繋がる方法論の違いなどが、その成立の過程からうまく説明がなされ、茶道史の流れが心地よく理解できる。史家の作品であるから、時系列に丁寧な資料提示がなされ、秀吉や武将の弟子たち、古渓との関係はあっさりと叙述されるが、かえってその手紙のやりとりや茶会記から、真実が浮かび上がるように思う。他の作家の利休を描く小説とも一味違う利休を見た思い。今後利休に関する話に触れた時、とても役に立つ一冊となった。2017/07/30
うしうし
3
先日改めて読了した桑田忠親『千利休』(中公新書)で大いに批判されていたのが、この村井康彦氏の著作だと分かった。桑田本と大きく違うのが、①利休に祐筆(鳴海爺)がいたことを強調していること、②利休号は永禄11年(1568)以前に大林和尚から与えられたとする杉本捷雄説(『千利休とその周辺』)を採用していることである。村井氏はその後も千利休に関する著作を多く出版しており、現在では桑田説よりも村井氏の考えが有力になっている印象を受ける。とはいえ、村井氏も今は90歳になろうとする老大家であり、2018/07/01
thumoto
3
やや古い書であるようだが、千利休の生涯とその影響について丹念に記述されていると思う。同じような状況証拠であるのに、推測的な記述と断定的なそれとがあったりと、歴史学では定説でもあるのか私は知らないのだが、従来の学説で言われていたことなどはしっかり引用されており、流れはわかりやすいと思う。また、千利休生涯のみならず、その後の流派としての捉え方、特に古田織部と細川三斎のスタイルについての考察はしかりだと感じいった。2012/01/09
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