内容説明
どうして、春は「あけぼの」?
平安中期、清少納言が中宮定子のもとに出仕した7年間の宮中経験や、その間に感じた物事を綴った日本最古のエッセイ集『枕草子』。当時、初めて散文に取り入れられた風景描写、男女間のエチケットなど、作者独自の観察力・批判力に注目する。紫式部と和泉式部も登場する特別章「女の才能、花開く」収載。
[内容]
第1章 鮮烈な情景描写
第2章 魅力的な男とは? 女とは?
第3章 マナーのない人、ある人
第4章 エッセイストの条件
ブックス特別章 女の才能、花開く──清少納言と紫式部と和泉式部
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くるぶしふくらはぎ
22
TVはいつも拝見していますが、本を読むのは本著が初です。大河ドラマ「光る君へ」を見ていて、ドラマの中ではちょくちょく解説や現代語訳無しに原文で和歌や手紙が読まれるので、この手の本が読みたくなってしまった。で、非常に明快でした。更に、紫式部と和泉式部との対比の章もあり、大河ドラマの伴奏本として最適!私は、清少納言、紫式部、和泉式部、三人の中ではどのタイプかしらなどど不遜な妄想も楽しめます。これを読めば分かる、「枕草子」はやっぱり名著です。「何を今更」と日本中からツッコミされますね。2024/08/25
あきあかね
20
山口仲美さんの日本の古典についての本は、どれも物語の面白さがありありと感じられ、著者自身が研究を楽しむわくわくする思いも伝わってくる。 本書で取りあげる枕草子についても、その魅力を余すことなく教えてくれる。例えば、季節の美しさを、夜明け、夜、夕暮れ、早朝といった時間の観点から切り取る斬新さ。例えば、月夜に川を渡る牛車によって、水晶のようにきらめく水しぶきといった情景描写の清冽さ。お坊さんの顔がよくないとついよそ見をして説経の内容をたちまち忘れてしまうといった、時折見せる軽妙さも、⇒2023/05/03
あむぴの
17
清少納言が残したこと。残さなかったこと。2015年9月、NHK出版。2018/11/30
氷柱
12
372作目。12月17日から。枕草子の原文に当たりたいのだが、いきなりだとちんぷんかんぷんなまま飽きてしまいそうなのでソフトなところから当たってみることにした。ちなみにこの一冊前に漫画で解説している作品を読み込んでいるのである程度の下地はできている。清少納言という人物が何に惹かれてどういったものに興醒めしてしまうのかがよくわかる一作。教養が備わっているだけでなく感受性が豊かである人物だということが読み取れる。紋切型の文章を書くよりも率直な文章を書いた方が後世まで語り継がれる。2017/12/18
たか
11
若者言葉風?な現代語訳がなかなか面白い2018/01/05
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