内容説明
たかが金魚、されど金魚。その知られざるディープな世界を江戸時代創業の金魚屋の当主で「金魚界の生き字引」ともいえる「金魚の吉田」の吉田社長が、「へぇ」と思う面白くて人に話したくなるような雑学的要素のある「金魚にまつわるあれこれ」を詳細に紹介します。ちょっとマニアックだけど、そのマニアックさが興味を却って喚起する「金魚のことが面白深く分かる本」です。
目次
はじめに
第1章 金魚のルーツと歴史を探る
第2章 本当に金魚はすごい!
第3章 多種多様な金魚を愛でる
第4章 老舗が教える「金魚のススメ」
主な参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
78
著者の金魚愛が、随所に滲み出る一冊。系統図も含めた歴史。寿命、体長から始まり、適温を含めた飼育のコツなどを網羅。認定された31品種の違いも、写真が掲載されているので、ビジュアル的に違いを理解しやすくなっている。私の好みは、金魚すくいでおなじみの「和金」。マニアの方々には大変申し訳ないですが、”肉瘤”がどうにも苦手なんです。その金魚すくいの記憶は、兎にも角にも”短命”。但し、本著を見ると、そもそも論で私の飼い方に問題があったのは明白。反省。2020/03/05
へくとぱすかる
31
東京で江戸時代から続く店は、今や著者の会社が唯一らしい。金魚店の社長が書いた金魚の本。DNA解析についても書かれ、安直さはなく、金魚への愛情にあふれている。品種が固定されるまでには、かなり年月がかかるようで、美しい金魚を楽しめるのも、先人の苦労があったからこそ。著者はランチュウやオランダシシガシラなどを美しいというが、わたし的にはコメットや朱文金がいいな。2016/02/27
Tomomi Yazaki
19
知らなかったけど、金魚の原産地は中国だった。そして金魚を改良して世界に広めたのは日本なのだとか。しかし現在の金魚の世界市場はその安さや安易な品種の増産で中国が席巻しているそうだ。地金や六鱗はその赤い鱗を剥がし白い鱗することで何故か天然記念物だとか。南京も品評会で上位となれば、人工なのに天然記念物とは是如何に等々。様々な金魚の歴史から系統、その特色やエピソードを交えて、今昔そして金魚の未来を熱く語る著者だからこそ書けた金魚の超優良な入門書。まだまだ次々と新たな品種が生まれてくる金魚に、未来あれ!2018/08/31
みのるん
8
本書では『「必ずこうしなければいけない」という決まった飼育方法はありません。常に、金魚に何をしてあげたら喜ぶだろうと考えながら、自分なりにいろいろ工夫して、好きな飼育方法を選択し、試していくのが一番です。それがアクアリウムの最大の楽しみ方だと、私は思っています。』と著者は述べています。2024/11/06
れこ
5
奇形を生み出し個性として愛でる。新しい世界観でした。温度差30度にも適応する→だから学校の教室でも生き延びられる!、お年寄りの好奇心を喚起する、ストレスマーカーが低下する、など、金魚すごいって思いました。銀座のアートアクアリウムに子供と行く前に読んで、正解。行く楽しみが倍増しました!2022/10/12