内容説明
古代エジプトの発掘品がパリで一般公開されるのを機に、王家の秘宝≪ホルスの眼≫を狙うルパン。しかし発掘者のボーバン博士の城館にミイラ男が出没し、展覧会をやめろという脅迫状が届く。そしてついに博士の一族が殺され、新聞社編集長に扮したルパンは連続密室殺人の謎に挑むことに。傑作ミステリー長編。（講談社文庫）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
147
二階堂氏による怪盗アルセーヌ・ルパンのバスティーシュ作品｡どことなく乱歩の二十面相を彷彿とさせるような雰囲気に懐かしさを覚えながら、スマートで紳士的、知的でありながら武術にも長けたルパンの活躍を楽しんだ。盲点を突く密室トリック、謎の暗号文、甦ったミイラ、意外な真犯人などワクワクさせてくれる要素はサービスたっぷりで、そつのない伏線回収まで非常に満足度高め。もちろん忘れてならない怪盗ルパンならではのお宝奪取エピソードも、謎解きと絡めながら配された心憎さだ｡本家にひけを取らないとてもよく出来た良作だった。2016/07/17
gonta19
101
2010/11/14 Amazonより届く。 2017/10/3〜10/4 7年ものの積読本。タイトルから二階堂さんが敬愛するディクスン・カーにちなんだ作品かと思いきや、ルパンのパスティーシュ。小学生の頃、図書館で借りて読んだのを思い出した。良く雰囲気が出ていると思う。2017/10/04
マッちゃま
19
ミステリーランド発のルパン贋作ミステリ。消えるミイラ男にエジプトの呪い、密室状況で発見される脅迫状、遂には連続密室殺人。もう怪奇色豊かなスタートから不可能犯罪に冒険活劇、迎えるラストは本格ミステリならではの見事な謎解きと…ホント楽しく読了しました。ミステリ好きならルパンの名は誰もが知るところ。例え原作が未読でも魅力的なキャラゆえに充分に楽しめると思います。読み終える頃には怪盗紳士がスッカリお気に入りになってましたわ。2017/03/03
ホームズ
19
相変わらず読みやすい（笑）ルパンいいですね～（笑）一応子供向けのミステリーランドからの文庫化ですが大人が読んだ方が楽しめる気がする（笑）密室トリックとかね（笑）表紙のデザイン良いですね～（笑）原作のルブランのリュパン・シリーズが読みたくなるな～（笑）2011/05/06
マーム
12
少年少女向けと言ってあなどることなかれ。古城で発生する密室殺人、そして犯人はミイラ男？とお得意の怪奇色満点の作品となっています。また、探偵役に誰もが知っている怪盗ルパンを配することで、物語への入り込み易さということもねらったのではないでしょうか。解説で加賀美雅之氏も書いていましたが、この本のタイトルを見て、私も二階堂黎人が「カー」と言えばジョン・ディクスン・カーのことかと思ってしまいましたね。さらに冒頭の「この本を読む人に」で、この作品が海外の原書を翻訳したもののように装うなんて、二階堂先生も人が悪い･･2010/12/18
