内容説明
1994年10月8日、優勝をかけたシーズン最終戦。
長嶋監督が「もはや国民的行事」と語ったように、この一戦は、平均視聴率48.8%(プロ野球中継史上最高)。2010年に日本プロ野球機構が現役の監督、コーチ、選手を対象にしたアンケートで「最高の試合」部門1位だった。伝説として語り継がれる「世紀の決戦」を、今中、松井、立浪、桑田、大豊、斎藤……戦った男たちの証言でつづる。
長嶋監督は言う。
「野球のすべての面白さを凝縮した試合だった」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
300
10.8に巨人と中日が優勝を賭けて雌雄を決する試合をしていた話。私も世代的に直接は観ていないが、聞けば聞くほどこの試合を観てみたかったし、ここがプロ野球の一つの節目だったんだろうなと思った。この試合は長嶋監督のカリスマ性がこれ以降でも出て来るが、長嶋監督の姿勢がすごい。要所要所で決めていく姿勢は高木監督や後の星野監督も憧れ、追い越そうとしても追いつけない悔しさを感じた。しかし当時は引き分けなし、投手の酷使が今では考えられないレベルですごいな。この後ではWBCなども個人的には痺れた試合はあったけど、2017/06/25
しょーくん@本棚再編中
60
★★★★★★★★☆☆あれからもう21年になるんですね。阪神ファンの私にとっても、あの試合は今でも鮮明に覚えています。かえって巨人・中日どちらかのファンだったら、胃が痛くなって楽しめなかったかもしれませんね。2015/11/20
hatayan
51
勝った方が優勝という1994年の中日と巨人の最終戦の記録。「国民的行事」と盛り上げる長嶋監督、あくまで平常心を貫く高木監督がガチンコで勝負。1点のためにあえて送りバントする松井、優勝請負人として本塁打を放つ落合、1塁にヘッドスライディングで飛び込み脱臼する立浪、連投で選手生命を縮めるリスクを厭わなかった桑田。持てる力を出し切った総力戦には巨人に軍配が上がります。渋かったのは、負け試合の中継ぎの役割ながらもきっちり仕事を果たした中日の野中。陽の目を浴びた選手ではなくても「10・8」は特別な試合だったのです。2020/09/01
ケイ
31
選手みんなの意気込みと、この一戦に対する凄い気迫が伝わってきます。勝利数と敗戦数も同じで残りゲーム1という凄い状況で両チームが優勝を懸けて試合は本当に凄い緊張感を超えて迫力のある内容でした。読んでるともう一度、こんなに白熱した試合を自分の目で見てみたいと思いました。球場に行ってこの試合を見ていたら、ドキドキしながら見てるんだろうなって思いました。2015/09/23
thee birdmen
27
129試合を戦って同率首位の巨人と中日による最終決戦。投手の分業も確立していない時代の死闘です。先発した翌日にリリーフしたり、完封した二日後にまた先発したりと気合と根性でシーズンを戦った選手たちの鬼気迫る姿が描かれています。中でも印象的なのは桑田。全てを背負わされてもなお赦されたと感じて流す涙とは一体どういう心境だったのか。ヒール役に徹しながら結果を出し続けた9年を思うと胸が苦しくなります。時代と言えばそれまでですが、心と体をすり減らしてぶつかり合うプロの真剣勝負はやはり凄いですね。2016/06/10