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内容説明
鳥羽法皇の崩御をきっかけに起こる崇徳院と後白河天皇との皇位継承争い、藤原忠通・頼長の摂関家の対立、源氏・平家の権力争いを描く。原典本文、現代語訳、脚注、校訂注を付した保元物語の決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
不識庵
13
源為朝の剛勇ぶりが際立つが、それも常ならぬ物語のエピソードのひとつである。若き平清盛にはすでに剛だけではなく、狡猾さも窺える。源義朝はお上の意向に翻弄されるだけという印象が強い。帝側、上皇側の衝突を描いた話である。この保元の乱により死罪が346年ぶりに復活した。子が親を、甥が叔父を亡きものにするというかたちで。処刑される源為義がたどる大原、静原、鞍馬の道はいかような景色に映ったか。この後、無常をロマンスの域にまで高めた「平家物語」が来る。2019/09/06
みじんこ
6
保元の乱を扱った作品。以前別の本で読んだことがある。古文と脚注、本文校訂注と現代語訳が分かれているので、先に現代語訳だけ読んでから古文を改めて読むのもいいかもしれない。本文校訂注も細かくなされている。解説では平治物語との同一作者説を否定するなど読んで損はない。源為朝と戦った大庭景能の回顧も引用されており、作中で脚色される前の実際の為朝について少し分かる。底本が半井本であるため、崇徳院が「皇を取って民とし、民を皇となさん」と誓い、経を海底に沈める部分はない。物語作品としてはこれがあった方がより面白いと思う。2015/10/30
Ohe Hiroyuki
3
崇徳上皇と後白河天皇を抱くそれぞれの勢力同士が争った保元の乱を書いた物語である。▼本書は、琵琶法師が語っていたものが原作とされており、読み進めると文体にいかにも吟じているのようなものを感じる。だからこそ当時の世相も感じ取ることができる内容になっている。▼個人的に思うのは当時の仏教の影響である。敗れた勢力の者はすぐ出家を行うし、要所要所に僧侶が出てくる。なにより神が菩薩として登場する。▼現代語訳と原文が両方採録されているので、参照しながら読み進められるので、読めるところから読み始めればよいと思う。2023/03/26
眉毛ごもら
3
大体為朝無双。勝った方の側より負けた方をメインに書いてあるため、義朝や清盛の影が比較的薄い気がする。頼長頭良かったのに詰めが甘かったのと運が無かった。新院様の本領は流されてからである。大魔縁カッコいい。為義と為朝の子で戦った方はともかくの末の子たち四人が殺される場面は可哀相だった。母君も絶望して入水するし。鬼かよぉ。なお、為朝が流刑後に八丈島で地元民の指落としたり腕折ったり、鬼ヶ島(鬼の子孫のでかいだけの人)を侵略したりしててお前のほうが鬼や!と思いました。案の定孤立して攻められ自害である。河内源氏怖い。2020/06/05
タカヒロ
3
『太平記』を読もうと思い立ち、待てよその前に読んでおいた方がいいのではと思って読んでみた。「親の首を切りけるこもありけれ、叔父が首切る甥もあれ、兄を流す弟もあれ、思ひに身を投ぐる女性もあれ、これこそ日本の不思議なりし事どもなり。」その世を生きざるを得ない者たちの、「血縁」同士の戦で描かれる葛藤には、胸を打たれるものがある。が、その一方で、そこに描き込まれる、「それは書かなくても良いのではないか」と思われる過剰な描写もまた興味深いものがあった。このまま『平治物語』へ進みます。『太平記』はいつになることやら。2019/12/01
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