講談社文庫<br> オリンピックの身代金(上)

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講談社文庫
オリンピックの身代金(上)

  • 著者名:奥田英朗【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2015/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062779661

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内容説明

小生、東京オリンピックのカイサイをボウガイします――兄の死を契機に、社会の底辺というべき過酷な労働現場を知った東大生・島崎国男。彼にとって、五輪開催に沸く東京は、富と繁栄を独占する諸悪の根源でしかなかった。爆破テロをほのめかし、国家に挑んだ青年の行き着く先は? 吉川英治文学賞受賞作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

修一朗

151
昭和38年の東京を描いた「罪の轍」に続き,昭和39年の東京オリンピック準備のために都市改造工事に邁進する東京を描いた本作はさながら「罪の轍」の続編の様相だ。こっちは2008年の作品だけれども,落合啓二を始め警察部隊は同じ。オリンピック関連工事で涌く東京のきらびやかな面とその輝きを支えた貧しい東北出身の出稼ぎ人夫の悲惨な負の側面,光と影の描き様が鮮烈だ。NHKスぺシャル「東京ブラックホール2」で描いた昭和39年の闇の姿と同じ,下巻へ。2019/10/18

ehirano1

130
東京オリンピックの「光と影」、そんなところでしょうか。本書のプロットはパルプフィクション(映画)のようにフラッシュバック的に事実が回収されていくタイプですが、書き方が相変わらず上手いので時系列に混乱は来さないで済みました。別作、「邪魔」のように上巻では比較的スローな展開でしたが、後半(下巻)では一気にスピードアップするのでしょうね、楽しみです。2016/06/25

あきぽん

114
昭和39(1964)年夏、オリンピック直前の東京にある青年が爆弾を仕掛けた…。今コロナ禍で開催が危ぶまれているオリンピックですが、医師や通訳のタダ働き等を非難する前に、競技場等を作った金も教育もない肉体労働者たちに世の中はもっと思いを馳せるべきですね。柳美里の「JR上野駅公園口」と通じる本。下巻へ続く。2021/05/06

ehirano1

94
ストーリー展開から100歩引いて本書を再読してみました。①「M(マンハッタン)計画」、についてはその手法を初めて知りました。当に諸刃の剣です。しかし、状況によっては自傷覚悟で抜かなくてはならないと思います。②「ビートルズは奴隷貿易で栄えたリバプール出身・・・彼らはキリスト教文明が差し出した贖罪の使徒なんですね・・・(p307)」は興味深い考察だと思いました。ストーリー展開とは直接関係のない箇所からも意外と学べるのが著者の作品に魅かれる理由の1つでもあります。2016/06/25

stobe1904

91
【東京五輪を狙うテロ】2020ではなく、1964のオリンピック開催に高揚する当時の東京が舞台。貧富の格差が拡大していた高度経済成長時期のオリンピックは貧困にあえぐ地方からの出稼ぎ者が過酷を労働が担っていた。秋田の寒村出身の東大院生の島崎は、出稼ぎをしていた兄の死をきっかけに過酷な労働環境を体験し、国家を挙げたオリンピック開催に違和感をいだいていく…。『罪の轍』同様、上巻から緊迫感あふれる展開で爆破テロを始めた島崎を捜査一課(オチ、ニールなど)の面々が追う。骨太で、熱く、緊迫したドラマへの期待が高まる。2020/07/14

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