ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

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ペルシア王は「天ぷら」がお好き?

  • ISBN:9784152095640

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内容説明

日本料理を代表する「天ぷら」は、ポルトガルの「tempero」が語源だといわれているが、歴史をたどると意外な国に語源が……。そのほか、ケチャップの起源となった思いがけない調味料、シチメンチョウが「ターキー」と呼ばれる理由、高級レストランとチェーン店をメニューで見分けるコツなど、スタンフォード大学で言語学を教える著者が、食と言語にまつわる驚くべき史実をつまびらかに語る。古今東西の料理本、ウェブ上の100万件のレストラン・レビューなど、ありとあらゆる情報をリサーチして著した傑作ノンフィクション。世界に伝播していった古典的なレシピも満載。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

89
原題THE LANGUAGE OF FOOD.スタンフォード大学で食べ物の言語学的研究の本。ペルーの国民食セビーチェからイギリスのフィッシュ&チップス、日本のてんぷら、スペインのエスカベーチェに歴史的つながりがある。そもそも6世紀ペルシア王に愛された肉の酢の煮込みシクバージが、船乗りによって魚のシクバージとなり、13世紀エジプト、14世紀カタルーニャ、1500年代スペイン・ポルトガルに伝わる。そこから派生したペスカド・フリットがイエズス会から日本に伝わり、1750年頃日本で、てんぷらと呼ばれるようになる。2021/10/24

くさてる

28
食文化の拡散と浸透を、言語学的アプローチから解説する一冊。テーマが言語なので横文字が多く少し難しい印象はありましたが、語り口は軽快で、扱われている食べ物も馴染みがあるものなので面白く読めました。気候と風土の影響は受けつつも、美味しい食べ物は文化を越えて伝搬していくもので、その過程でどんどん変化していくものなのですね。そしてきっとそれは現在でも起きている現象なのでしょう。古いレシピも色々紹介されていて、楽しかったです。2015/12/07

ああああ

24
楽しく美味しい人類史だった。古いレシピも再現したくなるし、誰かに話したい食べ物うんちくも満載、でも自分の視界がスーっと広がって、新大陸やホスロー1世とも私の食卓はつながってるんだと思えて、なんとも言えない爽快感。解説の高野さんの言う通り、こんなに豊かな食の世界を「ウチの国の伝統料理が本物」なんていうナショナリズムだけで満足しちゃっちゃあ、もったいないよね。2015/11/18

マッピー

19
食べものの語源を調べるだけならよくあることなのではないかと思うけど、この本はスケールが違う。語源から、異文化交流を重ねてきた人類の、文明の、食への情熱の歴史が、これでもかと綴られる。ケチャップの大本は中国の魚醤であったとか、マカロンとマカロニの意外な関係など、今私たちが毎日当たり前に食べている料理のこの味は、1000年も前、何百年にもわたって世界経済の中心が中国であったこと、中世イスラム文化の華麗で広範だったこと、そして大航海時代の新世界と旧世界の交流から生まれたものなんだ。いやはや感服仕りました。2019/08/25

クサバナリスト

18
食の歴史を、言語学からたどっていくとこれまでにない新たな世界史が見えてくる。政治的側面だけでは分からない、食文化・言語を通した世界のつながりをみることができた。 2015/12/02

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