内容説明
ひとは夢の中でさまざまなものを思い描く。生と死、愛と憎、肉体と精神、官能と苦痛、永遠と瞬間、安心と恐怖。あるときは縛られ閉じこめられ、あるときは解き放たれる。亡くなった家族や友人たちの思いが私を圧迫したり、癒したりする。そんな不条理で豊穣な「夢の世界」を確かな筆致で描く。自らの夢をもとに紡いだ24編のショート・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぼる
18
作者の夢をモチーフに書かれた24編のショートストーリー。どれも10頁前後と本当に短い。最初の作品が怖く、あと23編も楽しみと思ったが、最初のが一番よく、徐々にインパクトが弱く、少しダレてしまった感がある。1作品がもう少し長くて、作品数がもう少し少なくてもよかった。2018/09/05
そのぼん
15
現実と幻想の境目が曖昧な世界観の短編集でした。それと、世の中の常識から外れてしまった感じの主人公が多くて、背筋が寒くなりました。2012/09/15
凪織
13
一遍一遍が短いので隙間に読むのに丁度よい。実際に作者が見た夢、らしい。確かに、現実だと可笑しなことでも夢の中では当たり前だと思って過ごすことって多い。現実の世界では死んだ人間は現れないし、日本からバグダッドは見えない。あの触れれば崩れてしまいそうなほど脆く、不可思議な雰囲気が文章になっていて、不安定さと共にどこか居心地がよい感覚がした。『花芯』も電車の中で読んでしまったのだが、隣に座っていたおばさまに官能小説を読んでいたと勘違いされていなければいいのだけれど……。2015/05/18
悠遠
7
うーん、なんというかホラーのような怪奇のような。よく分からない短編集。喩え?揶揄?もよく分からない。2020/11/16
ちいたけ
4
夢想というだけあって、夢か現つか幻か、生きているやら死んでいるやら・・・。切ないな~。2015/01/19