内容説明
隣家の主婦に荒々しい欲望を抱く男。見つめられる視線のなかで徐々に熟れてゆく女。想像の上での交わりが現実になったとき、そこにあらわれるのは、快楽と愉悦の宇宙。ふくれあがる欲望、激しくかわす性愛、わきあがる官能。男と女の関係を、「性」という視点から濃密に丹念に描く全8編。傑作官能小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
322
8つの短篇から構成。裏表紙の惹句によれば「傑作官能小説集」とのこと。もちろん何によって官能が喚起されるかは、極めて個的な幻想、もしくはフェティシズムのあり様によることは言うまでもない。それを承知であえて言えば、本書の短篇群は少なくても私の官能を呼び覚まさなかった。様々な手法をとってはいる。例えばエキゾティズムも寄与しうるだろう。「謝肉祭」、「アドニスの夏」がそれだ。意図はわからなくはないがそれだけだ。また土俗的な趣きを狙った「蕨の囁き」。官能は、本邦では王朝の昔から都市と有閑階級の専売である。2019/06/15
じいじ
90
長らく書棚で眠らせていた直木賞作家・坂東眞砂子の官能小説。初読みは、プールしている6冊の中から何を読むかと愚考して、タイトルから本作にした。読むまでは、もっとシリアスでヒリヒリするような官能小説かと、勝手に想像していた少し違った。表題作はユーモアも感じられて、仄かに笑みも出る作品。主人公は、子供一人の平凡なサラリーマン夫婦。妻にとって、夫には性生活を除いては、何の不満もない。ひょんなことから、夫は妻に疑念を抱く。妄想がどんどんエスカレートしていく…。軽い気持ちで読めば、面白い官能小説かもしれない…。2021/09/30
まさきち
47
中盤にて再読と気づきました。前回読んだときには隠微な印象だったものの、今回はそんな感じは全くせず、ただただ坂東さんの粘度湿度の濃い文章を味わった感じです。またそれぞれの話がいまいち不完全燃焼のような結末で少々消化不足の感が否めません。2016/03/14
けいこ
29
『官能の極みを描く傑作短編集』との事だけれど、そこまででも無い。どれもなんとなく不完全燃焼というか、よく言えば先が気になるというか。マンションの隣人と浮気をする妻を描く1話目と夫が出てくるラストが繋がるが、意外にこの夫婦の性癖相性良かったりしてなんて、他のも含めどれも軽めに読んでしまった。じっくり読んだらもう少し坂東眞砂子さんの『官能とは』が分かるのだろうか。とは言え、封を開けてしまっても、また閉じるのかそのままか。開け放したその先に気付いた女性達の心の内が伝わってきた。2024/04/30
redbaron
15
う〜ん…最近精神的に参っているのかしら。えっちな話は好きなんだけど、先が見えちゃった話はダメ。蕨の囁きは好きかな〜。う〜ん。2016/06/30
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