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内容説明
21世紀、国家間の歴史認識論争は、いよいよ熾烈なものになってきている。しかし、「薩長史観」から「東京裁判史観」まで、私たちの近現代史は、あまりに多くの偏向史観にゆがめられてきた。
2002年に行われた鼎談では、黒船来航から集団的自衛権論争まで、時代を区分して、その時代の理解をゆがめてきた偏向史観を徹底的に論破。曇りなき眼で、日本人がそれぞれの時代をいかに生きてきたのかを論じる。勝者がつくってきたデタラメな歴史観に対する実証的な異議申し立てに、目からウロコが落ちるだろう。10時間を超える白熱した討論は、まさに日本の「歴史認識」の原点であり、これからの日本の行くべき方角を示す羅針盤でもある。
鼎談に加わった坂本多加雄氏、岡崎久彦氏は亡くなっているが、北岡伸一氏が全体を再度、見直すとともに、新たに二章を書き下ろした。
著者略歴
岡崎久彦:1930年生まれ。外務省情報調査局長、駐タイ大使などを歴任。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の有識者委員として集団的自衛権の容認を実現。2014年死去。
坂本多加雄:1950年生まれ。学習院大学教授、「新しい教科書をつくる会」理事を歴任。2002年死去。
北岡伸一:1948年生まれ。国際大学学長。東京大学名誉教授。「戦後70年談話」有識者懇談会座長代理として、安倍談話の道筋をつける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
39
本書は、2002年初出の岡崎久彦、坂本多加雄の両氏と北岡伸一氏とで近代に本の発展を自由に語った鼎談(7頁)。北岡氏が興味深い本とするのは、ケネス・ボールディングの『歴史はいかに書かれるべきか』講談社学術文庫(21頁)。坂本氏:民衆史も研究が進んで、自由民権運動をいうのは民衆が国民になるための近代的運動(24頁)。北岡氏:日本の戦前に民主主義があったのは明らかという(101頁)。2016/03/21
さきん
10
二十一世紀、国家間の歴史認識論争は、いよいよ熾烈なものになった。しかし、「薩長史観」から「東京裁判史観」まで我々の近現代史はあまりに多くの偏向史観に歪められてきた。日本の論壇をリードしてきた三人が、曇りなき眼で日本近代の来歴を見直した「歴史認識」の原点。日本近代史としてとても面白かった。2015/10/09
kenitirokikuti
8
図書館にて。今は亡き『諸君!』の2002年7月号掲載の鼎談を、2015年に新書化したもの。鼎談者の坂本は2002年10月に、岡崎は2014年に亡くなっており、終章は02〜15年を北岡が語り下し或いは文藝春秋からの再録かと▲鼎談の締めは90年代について。リアルタイムでは小泉内閣の有事法制が国会で審議されていた頃。新書の頃は二次安倍で集団的自衛権が解釈改憲あった頃▲冷戦崩壊後、国家の役割を否定するという部分で市場グローバル理論(市場原理主義)と左翼思想がドッキングした。最近のレフトはビッグテック批判が主だなあ2022/11/08
hurosinki
4
どえらい先生方が日本近現代史を語った贅沢な本。北岡伸一氏を除く坂本・岡崎両氏は刊行時既に他界しており、前書きは両氏について北岡氏が書かれている。事物人物、そして史観へのハッキリした価値判断が見ものだが、三者の見解の微妙なズレや温度差も楽しめる。大まかに時代区分はなされているが、その中であっちこっちに話が飛んでいき、読者にある程度の知識があることが前提(マイナーなものには注釈が付いてるが)なので、初心者向けではないかも2020/08/08
バルジ
2
近頃岡崎久彦ブームのような状況が発生したため再読。 北岡伸一・坂本多加雄・岡崎久彦という碩学達が日本近現代を語り尽くす贅沢な鼎談なので、再読するに耐えうる書物であることを再認識した。 個人的に興味深いのは「保守派」と呼ばれることの多い、坂本・岡崎両氏が日米戦争開戦過程におけるアメリカ陰謀説を一笑に付している点。近年の保守派内に跋扈する軽薄な歴史観を見ていると両氏の歴史を眺める態度は安心してしまう。2019/04/01
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