戦国大名論 暴力と法と権力

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戦国大名論 暴力と法と権力

  • 著者名:村井良介【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 講談社(2015/09発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062586108

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内容説明

戦国時代、大名の配下にありながら、「家中」と「領」をもつ者がいた。戦国領主と呼ばれる存在である。大名の生命線は、彼らをいかに統制するかにあった。暴力の時代にあって、いかに支配を安定させたのか。暴力と法のせめぎ合いから、新しい権力が誕生した。群雄割拠の時代を権力論の視点から読み直す。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

珈琲好き

5
力こそパワー(権力)2016/07/14

4
「『戦国大名とは何か』ではなく、何を戦国大名と規定することが、いかなる課題に応えるために有効なのか、(中略)本書の課題は、戦国期における権力の問題である」として、毛利や北条などにおける人(家中)・土地(領)の支配・被支配を見ながら、「暴力と法は対極にあるのではなく、切り離せないものである」ことを示す、権力論の視点から戦国時代を読み直した書。そもそも「戦国大名」は一義的に定義できるものではなく、専門用語と相まって本書の読みにくさにつながっているが、戦国時代の画一的なイメージを見直すべくチャレンジしたい一冊。2016/01/11

mk

3
第1・2章と3・4章が全く接合されていない。戦国大名の「家中」と「領」は異質、という貴重な問題提起を西欧思想の引用文の乱発で台無しにしている。最後の100頁はなんとか我慢して読んだが、読者に対しても先学に対しても、そして近代の思想的営為に対してもあまりに不誠実。分国法の構造的分析(本書のいう法維持的暴力の根幹に関わる)や室町期の領主制支配の実態(いわば前説にあたる重要なお話)をすっ飛ばして、肝心な結論部分を歴史学「外」のお手軽な思想本に委ねてみたところで、著者の主張は決して結晶化することはなかろう。2016/05/08

かやは

3
やっぱり子供の頃遊んだテレビゲームの影響は大きくて、まず戦国大名という絶対的な存在があって開墾だろうが戦争だろうがコマンドひとつで配下の武将が領民どもを駆り集めて有無を言わさずってイメージで考えてしまいがちなんだけど、そういうのとは180度ちがう領地や家中を持った独立性の強い戦国領主という存在(気分次第で兵を出さないこともできるくらいの独立性!)と、絶対権力者ではない戦国大名との関係性が論じられていてなかなか興味深く読みました。難しかったけどね。2015/10/22

ソノダケン

3
どこで誰が何をしたと言う話はそっちのけで、「暴力」「正当性」「家中」「領」といった抽象的概念ばかりが本書を埋め尽くす。引き合いに出されるのはルーマン・ベンヤミン・フーコー・デリダ……80年代かよ。著者は1974年生まれなのに。フーコーやデリダみたいに非学問的なトリックスター(メルキオール『現代フランス思想とは何か』などを参照)をどんな意図で持ち出してるのか、僕の頭では理解できなかった。最近の戦国時代研究はすごく面白いと思うけど、その全体像が一冊の本として結晶化するのは、もう少し時間がかかるのかな。2015/10/02

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