内容説明
風に揺れる枝垂れ柳が美しい京都の高瀬川で、少年が自殺した。白衣白袴という異様な姿で。死の背景には、旧家に伝わる謎の儀式があった(「はかぼんさん」)。身を持ち崩した一人の男を救ったのは、海辺の漂着物だった(「夜神、または阿神吽神」)。緑豊かな信州に嫁いだ女性。夜半、婚家に「鬼」が訪れる――(「鬼宿」)。各地を訪ね歩いて出逢った、背筋が凍り、心を柔らかく溶かす奇譚集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
77
まっさんと思しき、どうやら作家先生らしい人物が各地で聞いた不思議な話を探りに現地に出かけ、自らその不思議を体験する。その不思議は決してオカルト的なものではなく、柳田國男を彷彿とさせる、昔から人々が信じてきた「神様」の存在を思わせる。今の世は科学で解明出来ない事などないのかもしれない。でも、どうにも説明の付かない事もやっぱりあるんじゃないかな。四国での「同行三人」がとくに良かった。またお遍路、再開したいなあ。時には山の中や海辺で、日頃のせかせかした毎日を忘れ、自然や神様とのんびり過ごす時間も必要だよね。2021/07/22
佳乃
33
どの話も不思議だったけれど、自分にも「そうそう、それ分かる。そうなんだよね。」と思えることがあった。この広い世界に日本と言う国には本当に不思議がいっぱい。もっとたくさんの不思議が読んでみたいですね。2017/05/13
との@恥をかいて気分すっきり。
25
これはさだまさしさんのエッセイ集?と思いながら読んで、すっかり騙されました。お話に出てくる店名とか儀式とかが気になり、スマホで検索したものの何もひっかからないので、すべてさだワールドの中なんだと自覚した次第です。面白かったです。2015/08/20
チアモン
19
「同行三人」と「はかぼんさん」がとても面白く読めた。色々な地域の言い伝えや風習などをベースに書いた短編集。フィクションなのかノンフィクションなのか・・・。とても不思議な内容でした。でも、楽しく読めました。2016/09/21
PPP
13
★★★☆☆:日本人の生活や宗教観(八百万の神)を彼是と想像させ、ほっこりする短編集。古来から各地に伝わる儀式(祭り)には、役があって、台詞があって、地元の人達の連帯感には余所者を寄せ付けない雰囲気があり、畏怖の念や警戒心をも抱かせる。が、お祭り(露店付き‼)は〝異空間への通り道〟みたいでやっぱり心踊る。夏の祭りは特によい!「安曇庵」の十割蕎麦が美味しそうだったなぁ。(創作と知って残念)ーー〈 東京の小さな空では《神様》の存在って見え難い 〉ーー2016/08/02
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