内容説明
近年、精神医学を生物学的視点に立って研究しようとする動きが盛んなことは周知の事実である。百万言の精神療法よりも、一粒の向精神薬が異常な精神症状を取り除くのに役立つ事実を知るにつけ、精神症状も所詮は、生物としての人間の細胞レベルの機能異常がもたらす現象であると知る時に、われわれはやはり、精神現象を物質レベルに還元して解明する夢を捨て切れない。本書は正にその夢を語る一里塚である。
目次
第1章 脳の化学的組成と代謝
第2章 化学的神経伝達
第3章 高次神経機能の生化学的解釈
第4章 精神分裂病
第5章 躁うつ病
第6章 痴呆
第7章 アルコール症
第8章 薬物中毒と依存
第9章 精神疾患と内分泌
第10章 精神遅滞
第11章 てんかん
第12章 パーキンソン病
第13章 ハンチントン舞踏病