内容説明
魔法のような技術で、革にまつわる面倒事を解決してくれる、噂の革工房『ハイカラ工房』。工房を切り盛りする店主は、目つきは悪いが腕は確か、情に厚い若き革職人・神崎時宗。今日も作業台でにらめっこ中。どうやら工房にひと筋縄ではいかない依頼が舞い込んだようで――。 威厳無しの七光り軍人に貫禄を持たせる革ベルト、学校嫌いの少年の心まで直すランドセル、戦地の夫に想いを届けるトンビのコート、おまけに時宗の工房に弟子が転がり込んできて。 そして、ついに待ちに待った瞬間が訪れる。時宗が選び取る選択とは――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco
32
シリーズ2作目。今作も難しい依頼が舞い込んできて、時宗の職人気質も如何なく発揮されている。最後トントン拍子だけど、清々しい読後感。みんなの幸せを願わずにいられない。時宗の仕事ぶりをもっと読みたかったけど、これで終わりかな?名残惜しい気もする。2015/09/04
よっち
27
大正時代に店ごとタイムスリップした革工房『ハイカラ工房』。仕事も増えてきて、工房に弟子を雇ったことでちょっとした一騒動があったり、相変わらず向けられる気持ちに疎く椛をやきもきさせたりするものの、今回もきちんと依頼人や身に付ける人と向き合って、真摯に作品作りに取り組む時宗の姿勢が良かったですね。困難に直面し自覚する自分の気持ちと、明かされる過去との繋がり、タイムスリップの真実。最後はやや上手く行きすぎかなとも感じましたが、周囲の人々との温かい繋がりが描かれた読後感が心地よい物語でした。次回作にも期待します。2015/08/25
まりも
26
大正時代にタイムスリップした革職人・時宗が現代の技術で依頼人たちの悩みを解決する物語の第二弾。今回も良かったと思います。どんな時でも第一に依頼者の事を考えて、それに合った見事な逸品を作り出す時宗の姿は読んでいて気持ちがいいですね。度が過ぎた鈍感主人公性質さえなければ、もっと好感を持てるキャラクターになれていたと思う。何にせよ新キャラの小梅ちゃんの元気溌剌さや椛の正妻っぷりも良かったので満足です。しかし最後の展開はもう少し凝って欲しかったなぁ。とりあえず次回作も期待してます。2015/08/26
ううち
21
大正時代にタイムスリップした革職人のシリーズ2作目。魔法と言われる時宗さんが作り出す多彩な革製品が素敵です。インバネスコートのお話は泣きそうになりました。卵が先か鶏が先か…?曖昧なところもありますがハッピーエンドで良かった。続きはあるのかな?2016/03/30
よっしー
20
現代の親方と過去の正太の関係、もしかして…とは思っていましたが、予想通りの結果でした。椛の咳き込みも、ここまで何度も強調して描写されてたので、そうだろうなと思っていたら、やはりでしたね。結核の治療法が出来たのはいつなのでしょう。そして、労咳という言葉はいつ変わったのだろうと、変なところが気になってしまいました(笑 時宗の超がつく程の鈍感ぶりでしたが、結果的に綺麗に纏まって何よりです。2022/04/04
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