小学館文庫<br> 斜陽日記(小学館文庫)

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小学館文庫
斜陽日記(小学館文庫)

  • 著者名:太田静子【著】
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 小学館(2015/09発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094024616

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内容説明

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太宰治の出世作『斜陽』の下敷きとなった、回想録的な日記。太宰の“愛人”として娘・治子を生んだ太田静子が、1945年の春から12月までの日々を太宰に勧められるままに綴って渡したもの。 『斜陽』の「人間は恋と革命のために生まれて来たのだ」の一節など、文面がまったく同じ箇所も多く見受けられ、太宰がどのように“文学”に昇華させたかがわかる貴重な資料でもある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

多田幾多

18
斜陽日記がなければ斜陽は産まれなかったんだなあ。しかし、人の日記を読むというのはなんかまあ、背徳感というか罪悪感と言うか。そんな事言ったらアンネの日記もそうだけどさ。普通に小説っぽい書き方とは言わず普通の女性の日常を、親と子の苦悩を、日記形式の書き方でさらに心情や太宰治特有の勿体ぶった書き方よりも読みやすいと感じた。太宰治に恋をしてしまった経緯も書かれているから、太宰治について知りたいと言う人にはぜひ読んで欲しい2014/07/21

nobody

16
「人は人に影響を与えることはできない」と太宰は言ったが、太田静子の生涯はその最大の反例という気がする。生後間もない治子に頬を寄せる静子の写真。その毅然たる表情。これ以上力強い人間の表情を見たことがない。『斜陽』の主人公がかず子なら本作のそれは静子の母、いやお母さまだ。小森陽一は静子と母は一体化しようとはしていないと言うが私はしようとしていると思う。でなければ主題が消えてしまう。どんな人の人生でも小説になるとよく言われるが、それでは小説が無数に成立することになる。だが名作はやはり極少でありその違いを考えた。2017/12/14

JUN

15
太宰治の数ある作品の中で一番好きなのは「斜陽」。その斜陽の原点が垣間見れた気がする。斜陽の有名な一節もここから引用されている。「人間は恋と革命のために生まれて来たのであるのに」・・・もう少し時を経てから、「斜陽」「斜陽日記」を立て続けに読んでみたい。2018/04/05

R子

12
著者は“お母さま”との暮らしの中で、文学への憧れや自然の美しさ、戦争の惨さに想いを馳せる。太宰治『斜陽』の元になった作品だ。「人間は恋と革命のために生れて来た」の言葉や、エピソードの多くが『斜陽』に活かされたのだと驚いた。ただ、話の展開や人称の扱いは冗長で分かりづらいところもあり、文学作品として昇華させた太宰の力量を感じた。本作では太宰の影がほんの数回ちらつくだけだが、あとがきで太宰が亡くなったことについて触れられていて涙が出た。2022/06/28

MatsumotoShuji

5
リアル本では入手困難だけど電子ブックでは簡単に読めるから便利な世の中だ。読み比べるとこの日記のどこに太宰が強く感銘を受けたかよく分かる。もっとも鮮烈な、スープの飲み方のシーンが太宰の手になることも分かったし、太田静子さんが胸元からちらりと見せただけの「恋と革命」を、太宰が引っ張り出して大きく振り回したこともよく分かったし、「斜陽」がまぎれもなく太宰のオリジナル作品であることもよく分かった。2019/09/26

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