内容説明
吉成行夫(よしなりゆきお)には、十二年来の秘密があった。彼が高校三年生の時、彼の同級生で想いを寄せる宮地亜以子が、廃工場で殺人を犯し、その壁に消えたのを目撃した。卒業後、亜以子は消息を絶った。ところが、同窓会の席上、吉成は、彼女が社長夫人に納まっていたことを知る。未だに彼女を思う吉成は、極秘に彼女を調査すると……!?──トリックを駆使する本格推理の白眉(はくび)!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
21
誰もが憧れるが、どこか近寄り難い雰囲気の亜以子。彼女は、21年前、12年前、そして今回と3つの殺人事件の関係者。いずれも確かなアリバイがあり、犯人ではないとされたが…。壁を通り抜けた美少女、互いに相手の寝巻きを着せられ、相手の布団に寝かされていた2人の男性の死体等々、様々な謎をはみ出し刑事・八木沢が独自の視点で解き明かし、事件の真相を明らかにする。と言うても、最後は犯人もしくは真相を知る人物にうまいこと語らせる感じ。ちなみに、タイトルにある越後七浦は重要なカギには違いないんやけど、その記述はごくわずか。2020/04/08