内容説明
日本で最も愛されている詩人の一人である谷川俊太郎が、生い立ちから詩作の裏側までをありのままに語ります。インタビューのほかに、朗読で大人気の「かっぱ」「ばか」から代表作「生きる」まで、11作品を収録!「詩を書きたいとも思っていなかったし、詩人になりたいとも思っていなかった」という谷川氏が、17歳の頃に友だちに誘われて詩のようなものを書いて以来60年以上、詩集にとどまらず、歌の作詞(校歌や合唱曲、アニメ「鉄腕アトム」などの主題歌)、絵本、翻訳、脚本、朗読でも活躍。オール受注生産というほど人気はいよいよ高まっています。本書は、各界一流人の思いと夢をインタビューで解き明かす人物ドキュメント、NHKBSプレミアムで放送中の番組「100年インタビュー」で語られた言葉を単行本化するシリーズの14冊目。詩は微力ながら過酷な現実に対抗する「よすが」になる――と、詩の存在意義もわかりやすく教えています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
35
やはり、谷川さんは谷川さんだ。受注生産というのが面白い。自分を空っぽにすることで、言葉がやってくるのを待つというあたりの感じも、なるほどなあ~と思った。とにかく、詩だけなく、いろんなことをやってみるという考え方がとてもいいと思ったし、だからこそ、今の谷川さんがあるんだろう。一見、飄々とした風情もあるようだが、本当の根っこのところは、どうなんだろ?覗いてみたい。2014/11/30
詩歌
24
詩人とは未成熟な人格だ。ミラン・クンデラの「今日白いと言って、明日黒いと言っても全然かまわない。詩人にとってそれは両方とも本当なんだ」「そのとき、白さをどこまで深く感じているか、黒さをどこまで深く感じているかが詩人を作っているのだ」に「自分のどこが悪いんだ?」と考える谷川さん(笑) そりゃ政治家がこの発言したら危険だと思うけど(笑) 詩情は、かつてなく浸透しているのを感じてます!2014/07/25
かふ
18
NHKで放送された番組の書籍化のようである。インタビューということでわかりやすいし、NHKの番組ならなおさら信頼が置けるのかもしれない。そんなことは知らずにただタイトルだけを見て図書館で借りたのだが、谷川俊太郎は言葉というものが他者のものであり、それを伝達するのが詩人ではと言っているのかもしれない。自分の言葉なんてほとんどないという。ほとんど借り物の言葉、それは言葉を習うより倣うという感じなのかと思う。だから子供にも人気がある詩人なのだ。その一つが言葉遊びの世界の詩なのである。2025/02/11
フム
15
無性に詩を読みたいと思う時がこれまで何度かあった。しかし、不思議と谷川俊太郎さんの詩集を手に取ったことはない。2010年NHK放送の「百年インタビュー」をもとに構成された本書を読んで、何となくその理由がわかったような気になった。谷川さんの詩はどこかとらえどころがない。副題にもなっている『宇宙』のように意識下にある人間という存在そのものをひろいあげて言葉にした詩。「言葉以前の世界」を表現しようとした。「社会内存在」としてより「宇宙内存在」としての人間を追求した詩なのだろう。2018/07/13
左端の美人
15
催眠文を作る課題で、詩的につくることがポイントとのことで読んでみました!「生きる」が好き!泣けるということ。笑えるということ。怒れるということ。自由ということ。2016/07/17
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