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内容説明
穂高連峰や笠ヶ岳など北アルプスの飛騨側で、登山者の安全を守り遭難者の救助に命を賭ける「登頂なきアルピニスト」たちがいる。
1964年に発足した岐阜県警察山岳警備隊が、昨年、50周年を迎えた。
これまでも組織の改編、隊員のレスキュー能力の強化などに努めてきたが、50年という節目はその成果のひとつの表われでもあろう。
本書は、第一線で活躍する彼ら隊員たちの遭難救助への思い、遭難の実態などを明らかにし、遭難防止の大切さを訴える。特に最近は、遭難の実態も中高年登山者の増加、携帯電話の普及などによって以前とは大きく様変わりし、山岳警備隊の役割も多様化しつつある。
そうした変化に対応しながら、遭難救助の最前線で奔走する隊員たちの思いと行動を描いた読みものである。「レスキュー最前線・長野県警察山岳遭難救助隊」に続く岐阜県警察版。
これまでとは山岳遭難の態様が大きく変わってきている「中高年登山者」「一般登山道での事故」「携帯電話の普及と安易な救助要請」「ヘリコプターによる救助」「個人情報保護法の壁」などのキーワードを軸にして、隊員や家族の手記を中心にまとめた手記。
初めての遭難救助、思い出の救助活動、痛恨の二重事故、穂高常駐、航空隊の活躍、民間の遭難対策協議会、山小屋との連携など、遭難救助における隊員と遭難者のドラマが綴られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miki
11
「大好きな山で死んではいけない。だからわれわれは命を繋ぐために全力を注ぐ。」職務とはいえこの使命感、山をやっている者にとっては本当に頭が下がります。それに引きかえ御嶽山救助の章、小屋に避難していた20数名の登山者のうち、ヘッデンを持っていたのがたった数名、雨具も所持していなかった者もいたという事実。いくらロープウェイを使う黒沢口からだからって、3000m級を何だと思っているのか。「たかだかニ、三十年の経験なんて、山のなかではなんにもなりませんよ。」とは穂高岳山荘小屋番宮田八郎さんのお言葉、重みがあります。2015/11/13
じじちょん
5
山岳救助隊の手記をまとめた本です。新人やベテラン隊員たちの経験した出来事が語られています。淡々とした語り口ですが、厳しい救助の様子が伝わります。 御嶽山噴火の様子も書いてあり、記憶に新しかったです。 隣接する県とも臨機応変に対応している場面を読み、現場での連携プレーの素晴らしさを感じました。2017/04/28
Humbaba
5
自然に立ち向かうときには、どれほど準備をしたとしてもしすぎるということはない。一つ一つの道具が短縮してくれる時間はそれほど大きくないとしても、その少しの時間が生死を分けることもある。危険が大きい仕事であるのは確かだが、それによって救われる人もまた確実に存在する。2015/12/19
Narumi
3
山岳地帯を持つ県の警察に山岳警備隊というパトロールや救助を行う部隊があることを初めて知りました。日本アルプスが岐阜県にあるということをそもそも知らなかったような…。現場の方の書かれた文章で構成されているのでプロの文ではありませんが、その分、仕事内容や仕事をされている方の心情がよくわかります。わりと新しい本なので、14年の御嶽山噴火のときのことも書かれています。2019/08/05
みゃん
2
良かった。とくに方言が。2019/06/01