文春e-book<br> インテル 世界で最も重要な会社の産業史

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文春e-book
インテル 世界で最も重要な会社の産業史

  • ISBN:9784163903316

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内容説明

「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」つまり「コンピュータの処理能力は指数関数的に向上していく」、1965年、インテルの創業者であるゴードン・ムーア博士が発表した論文に書かれていた半導体の能力に関する洞察は、「ムーアの法則」として、今日にいたるまで、情報産業にかかわるものが、逃れらない法則となった。

その法則を生み出した「世界で最も重要な会社「インテル」の産業史である。

ムーアの法則」の誕生のみならず、本書を読む読者が切実に感じるのは、今自分が努めている会社、業界のすべてに通ずる共通のテーマが、鮮烈なエピソードをもって書かれている点だ。

すなわち、「技術力か営業力か宣伝力か」という問題。
あるいは「才能か努力か」
あるいは、「継承か革新か」
あるいは「模倣か創造か」

本書の中には、コンピュータの心臓部であるマイクロプロセッサ(CPU)を世界で初めインテルとともに開発した日本の電卓メーカーが、最後の最後で社長の判断から契約をキャンセル、結果的には、CPUの知的財産権を逃すという「史上最悪の経営判断」をしてしまう話や、あるいは、モトローラに劣るチップをインテルが営業力でもってシェアを逆転する様など、私たちの今日のビジネスの日々の判断に通じる血わき肉おどるエピソードが満載されている。

著者はアメリカの新聞で初めてシリコンバレー担当をおいたサンノゼマーキュリーニュースで最初のシリコン・バレー担当となった記者。1970年代から今日まで、その有為転変を追い続けてきた

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まちゃ

55
世界最大の半導体メーカーであるインテルとトリニティ(三位一体)と呼ばれた3人の創業者、ボブ・ノイス、ゴードン・ムーア、アンディ・グローブをめぐる物語。性格の異なる3人の優れたリーダーに率いられたインテルの歴史を長年ハイテク業界を取材してきたマイケル・マローンが著した本書はシリコンバレーのダイナミズムを感じることのできる大変興味深いものでした。/「自らの過ちから学ぶ者だけが成功する」2015/11/29

harass

54
最近は戦略資源として扱われる半導体の本を探していて手に取った。集積回路の発明者の一人であるノイスが率いたインテルの歴史を描く。「シリコンバレー」の言葉を生んだ莫大な富と技術のせめぎ合いを数年で支配し、トップに君臨し続ける傲慢とも言える自信に満ちた歴史であるが、著者によると、幾度の失敗から確実に何かを得てきた会社の歴史であるとのこと。登場人物たちの個性やエピソードが面白い。ほんまもんや。日本との半導体戦争なども触れられている。貸出延長を繰り返してようやく読破した。おすすめ。2022/12/09

Willie the Wildcat

46
ハイテク世界の精霊ムーア、カリスマ的な父ノイス、反抗的な息子グローブの三巨頭。転機における3人が果たした役割とその役割の変化に、三巨頭たる所以を垣間見る。興味深いのが、公私での3人の人間関係。中でも、”アリとキリギリス”によるノイスとグローブの関係描写は、言い得て妙!一方、ノイスのDCでの政治活動の背景の一端となる日本企業の信頼喪失が痛い。ファジンと嶋、両氏の功績が薄らぐのもその余波なのかもしれない。三巨頭の揃った唯一の写真・・・。写真のポーズにすら個性を感じるのは、私の先入観だけではない気がする。2016/06/10

Kiyoshi Utsugi

37
インテルの創業者であるロバート・ノイス、ゴードン・ムーアそれとインテルに3番目の社員として入社したグローブの3人を取り上げています。 今までこの三人はずっと仲がよいと思っていたのですが、ノイスとグローブの間だけはそうではなかったということを知って、びっくりしました。 この本が出版された時には、ムーアだけが鬼籍に入っただけでしたが、それから二年後にはグローブが79歳で亡くなっております、今となっては生き残りはムーアの法則で知られるムーアだけで、時代の流れを感じさせます。2021/05/31

ひろき@巨人の肩

26
ロバート・ノイス、ゴートン・ムーア、アンディ・グローブのTrinityがIntelを中心としたシリコンバレーの礎を築き、ムーアの法則によって人類の進化を大幅に推し進めたという事実を実感し心が震えた。半導体、集積回路からマイクロプロセッサへと続く科学史を学べると共に、今後のシリコンバレーを考える上でも貴重な一冊。「パラノイアでなければ生き残れない」「失敗から学習する組織」。アンディ・グローブの経営理念は今のIntelに生き続けていると思った。偉大な三人が去ったIntelの今後はどうなるのだろう。2016/01/12

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