出版社内容情報
古墳時代の日本は文字資料が乏しいが、東アジア海域には考古遺物を中心に様々な資料が残されている。渡来人がもたらした装身具や武器・武具、藤ノ木古墳と高句麗の王墓などから、日本の古代の国家、文化を再構築する。
内容説明
古墳時代の日本は文字資料が乏しいが、東アジア海域には考古遺物を中心に様々な資料が残されている。渡来人がもたらした装身具や武器・武具、藤ノ木古墳と高句麗の王墓などから、日本の古代の国家、文化を再構築する。
目次
第1章 考古学からみた国際関係(装身具と武器の語る国際関係;鉄素材の変遷と交易;ヒスイ・日本と朝鮮半島との交易)
第2章 海を越えた人々の残照(土器からみた集団の渡来;葬送習俗からみた渡来人)
第3章 東アジア世界の王権と秩序(冠からさぐる藤ノ木古墳の被葬者;高句麗の王墓と墓守り)
補論 古墳時代研究における東アジア的視点の展開
著者等紹介
門田誠一[モンタセイイチ]
1959年大阪府貝塚市に生まれる。1984年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。学校法人同志社埋蔵文化財委員会調査主任、佛教大学講師、助教授を経て、佛教大学歴史学部歴史文化学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんい
3
主に韓国の古代墳墓等で発掘された文物の考証から、日本の古代の状況を探ろうとする論文。1992年発刊のものの再刊。翡翠製の耳飾りや土器、冠など、個人的にはさほど関心がもてない物の分析が中心。印象に残ったのは、中国式の土器はほとんど日本では出土しない。朝鮮式の土器は出土する(人々の行き来があった)。高校で習った「任那日本府」(倭人が定常的に韓国南部に居住・支配)は、出土物の分析では存在を推測できない。古墳の造営は、墓守以外に、戦争のための兵士を挑発する口実でもあったのではないか。少し古代が身近に感じられました2020/10/18