背中の記憶

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背中の記憶

  • 著者名:長島有里枝【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2015/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062931083

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内容説明

ふと立ち寄った本屋で手にした画集。描かれた女性に、わたしは大好きな祖母の姿を見た。団地で出会った初恋の少年。こしゃくで大好きなおとうと。いつも祖母の家にいたマーニー……。写真家の鋭い目と丁寧な筆致が、鮮やかな過去の情景をよみがえらせる。誰もの感情をゆさぶる第26回講談社エッセイ賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tui

20
子ども時代の記憶、祖母との確執、母親としての世界の見えかた。どれも、ものすごく写実的な文章。同じ写真家である植本一子のエッセイと似た風味だなと思ったら、あるエピソードのなかで、実際ある男性同業者にそう言われたと書かれていた。血縁の持つ愛と憎しみ。植本一子のそれよりはややマイルドな読み心地です。2019/12/02

みずいろ

10
一度も蓋をあけてこなかった記憶のいろいろが、ぶわっと一気に色と香りをとりもどして私を取り囲んだ。本書を読むことは、蓋を開けるという行為でもあった。弟と叔父のことをかいた部分がとくに良かった。覚えていることが救いであろうとなかろうと、記憶はそれだけでこんなに香ってひとを酔わすのだからすごい。涙が出た、あらがえやしない。2016/01/04

しょうご

7
第26回講談社エッセイ賞受賞作です。 写真家さんのエッセイということで、まるで写真を眺めるように、時間を切り取っているような印象を受けました。 こういう文章を解像度が高いというのだと納得しました。2024/03/05

月長

7
年内滑り込み読了。この本から感じるのは、幼い頃に感じていた何気ない感情の機微。普通ならいつの間にか忘れてしまうような思考を思い直す一冊だった。2022/12/31

ほし

7
長島有里枝さんは好きな写真家のひとりです。デビュー当初は家族と自らのヌードフォトというセンセーショナルなテーマで話題となり、その後時を経ていつからかとても穏やかで静けさが感じられるような、しかしその中に強い芯を感じるような写真を撮られています。 そんな長島さんが書かれた本書は、自らの幼年時代を中心に、家族や友人達との交流を描いたものです。子どもの眼差しでみつめる、不器用で不恰好な大人たちや、ささやかな恋心、友情。この本を読むと、誰しもが自らの遠い日に思いを馳せるのではないでしょうか。美しい本です。2019/01/15

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