内容説明
両親を相次いで喪った三人きょうだいの末っ子で高校二年生の麻里子は、いつの間にか端が切れた鞄を縫おうとして隙間に挟まれていた鍵に気付く。近所で頻発する通り魔事件とのつながりを疑うものの、最近よそよそしい兄には相談できず、自分で持ち主を探そうとするが……。家族の機微を描く傑作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
64
乃南さん と言う事で楽しみにしてた1冊… しかし俊太郎 本当に血の繋がった兄❔と思うほど、冷たい所に始終 イライラしました。うちの子もよく似たモノだから 分かる所も有るのですが。。。 私が麻理子なら絶対 誰にも黙ってる なんて無理❗ 通り魔までヤッてた杉本 もっとマトモな理由で 犯罪を犯したのかと思ったら なんか腑に落ちない… 麻理子が監禁された所からドキドキしながら読む事が出来ました。お兄ちゃんの親友さんは出来た人。恋に発展するのでしょうか❔ 続編が有ると知り 追ってみたいです。2016/05/06
くろにゃんこ
52
両親を相次いで亡くした三人兄妹、高校生の末っ子、麻里子はある日カバンに鍵を差し込まれた。相次いで起こる通り魔事件。犯人は何かを探しているらしい・・・色々と葛藤があるのは分かるが俊太郎のあまりに大人気ない妹への対応にどーしても嫌悪感がっ!!ミステリーというより家族愛のお話でした。2015/12/29
みっこ
47
両親を相次いで亡くした3兄弟。主人公は、街で起こる連続通り魔事件の"鍵"を偶然握ってしまった、末っ子麻理子です。耳が不自由で生活に不安を覚える一方、兄姉に迷惑をかけたくない麻理子。心の中では妹を心配しつつ、生前の母を独占していた麻理子に冷たく当たってしまう俊太郎。この二人のすれ違いが悲しかった。いや、正直俊太郎大人になれや!とは思ったけれども(^^; "鍵"の謎を最後まで引っ張った割には、解決編があっさりしていてちょっと拍子抜け。兄妹の友人、有作と雅美が魅力的でした。続編『窓』も読んでみよう。2016/11/13
あむぴの
40
■■講談社文庫ミステリーフェア 夏ミス2016■■27冊目。サクサク、さらさら物語が進む。最後に何かあるんじゃという一縷の望みを持って読むが、普通に終わってしまった。1996年12月初版。新装版2015年8月。2017/08/03
坂城 弥生
36
昔の話みたいで、今では聞かなくなったファックスとかが出てきた。多分現代ならスマホ一つで解決してしまうだろうことを、丁寧に描いたれていた。2019/09/17