内容説明
昭和十三年、自ら浅草に移り住み執筆をはじめた高見順。彼はぐうたらな空気と生存本能が交錯する刺激的な町をこよなく愛した。主人公である作家・倉橋の別れた妻への未練を通奏低音にして、少女に対する淡い「慕情」が謳い上げられるのだった。暗い時代へ突入する昭和初期、浅草に集う人々の一瞬の輝きを切り取り、伊藤整に「天才的」と賞賛された高見順の代表作にして傑作。
目次
第一回 心の楽屋
第二回 風流お好み焼
第三回 冬の噴水
第四回 落 魄
第五回 美 肌
第六回 帽子の下に頭がある
第七回 日記と注からなる一回
第八回 旅へのいざない
第九回 この青ざめし景色は
第十回 酉の日の前後
第十一回 再び現実の攻撃について
第十二回 ふいなあれ



