内容説明
札幌に住む看護婦の貴子は、学校に行けなくなった11歳の少女、まりもと知り合う。自分が通う牧場(ランチ)にまりもを誘うが、そこで待っていたのは、風変わりな牧場主と、エンデュランスという乗馬耐久競技だった。馬をいたわりながら、野山にめぐらされたルートをたどり、長距離を翔けぬける。競技に魅せられた者たちだけが見ることのできる世界とは? それぞれに喪失感を抱えた男女たちが生きることに向き合っていく感動作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
107
500頁超の大作を怒涛のイッキ読み。久しぶりに最初から最後まで、ほぼ休むコトなく夢中になって読みふけってしまう作品でした。不登校になった小学生「まりも」はふとしたきっかけから近所に住む看護師「貴子」と出会います。そんな二人が向かった先は北海道は石狩にある牧場で牧場主「志渡」から馬に関する育成の手解きを受けます。馬と接するコトで塞いでいたキモチがクリアになっていく「まりも」は、更に1人の男性と出会うコトで大きな転機を迎えようとします。それは馬の耐久レースに参加するということ。ずっと胸が熱くなる作品でした。2024/09/10
じいじ
84
この『天翔る』は、読了の村山小説の中では、ベスト5に入る大好きな作品です。11年ぶりの今度は、表紙のデザインも一新されて気に入っている文庫版で読んでみました。あらたな感動も湧いてきて面白かった。小学生のまりもは、幾多のイジメにあっても簡単にはへこたれません。たいへん我慢強い女の子です。乗馬の腕前もぐんぐんと上達していきます。…83歳を直前にして、体力の衰えに意気消沈している爺ィは、まりもから「喝!」を入れられました。2024/03/05
ちょこまーぶる
65
夢中になって読み進めることができた一冊でした。不登校になったまりもが、馬と出会い自分を取り戻していく話ですが、運命的な出会いが継続してまりもが成長していく過程がとても微笑ましく、最後には父親からのプレゼントなのか漆黒の競走馬との再会に驚きがありましたね。そして、エンデュランスという耐久レースも初めて知りました。人と馬が一体となってゴールを目指し、決して競争では無くまさに人馬一体でお互いを気遣いながらゴールを目指すことに素敵なレースだなぁ~と思いましたね。まりものこれからも応援したく思いました。2025/11/17
ぶんこ
63
初めて知った馬と人との一体感を大事にするエンデュランスという競技の理念に感動、興奮しました。主人公のまりもが9歳の時、父に連れられて競馬場に行き、馬の走る姿に鳥肌がたった・・私も競馬場に行ったことがあり馬が疾走する地響き、迫力に圧倒され鳥肌がたち、馬が大好きになったので感情移入甚だしかったです。大好きな父の死、イジメから不登校になっても、まりもの周りには優しい大人たちが居てエンデュランスに挑戦するまでになりました。まりもも好きですが漆原に興味津々。宝島社のHさんがモデルか?そちらも読みたいです。 2016/08/15
佐島楓
58
馬という美しい動物でつながる人間たち。皆それぞれに過去、そして傷を抱えている。不器用な大人たちは、まりもという不登校の少女を介し、大きく変わっていく・・・。久々に泣いてしまいました。村山さんのこういう路線、好きだなぁ。やはり乗馬の体験をしていらっしゃるからこそ書ける風景や空気感があり、馬と人との関係がとてもきれいでした。おすすめです。2015/10/16




