戦火のマエストロ 近衛秀麿

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戦火のマエストロ 近衛秀麿

  • 著者名:菅野冬樹【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • NHK出版(2015/09発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140816820

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内容説明

ベルリン・フィルを初めて指揮した日本人の真実
ナチス政権下のドイツ、そしてヨーロッパ各地で、タクトを振り続けた日本人指揮者・近衛秀麿。実は、彼はその音楽活動の陰で、ひそかにユダヤ人の保護・救出を行っていた――。発掘された新資料をもとに、マエストロ・秀麿の「知られざる営為」をひも解くノンフィクション。BS1スペシャル『戦火のマエストロ・近衛秀麿―ユダヤ人の命を救った音楽家―』の出版化。

[内容]
プロローグ
第一章 ベルリン・フィルを初めて指揮した日本人
第二章 ナチス政権下の音楽家たち
第三章 亡命トライアングル
第四章 「近衛オーケストラ」の秘密
第五章 最後の謎──米軍中尉ネルソンとの対話
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sasha

9
同名のテレビ番組も見ていたけれど、書籍としても優れたノンフィクションだ。近衛秀麿。兄の近衛文麿に比べ、彼に対する認識は薄かったけれどナチス・ドイツが猛威を振るったヨーロッパでユダヤ系音楽家の亡命を手助けした事実は、「命のビザ」の杉原千畝のようにもっと評価されてもいいのではないか。終戦間際に兄・文麿からの密命を帯びて自らアメリカ軍の捕虜となっている部分の謎解きは小説を読んでいるよう。この時、秀麿の取り調べにあたったアメリカ軍中尉と秀麿の関係が明かされる部分はドラマのようだ。今年一押しの国内ノンフィクション。2015/10/28

ソバージュ

5
NHKの番組を観るまで近衛秀麿の名すら知らず、番組だけでは不完全燃焼だったので手に取った。秀麿の仲介でグルリットやクロイッツァが日本に亡命していたことや越天楽のオーケストラ演奏など興味深い事が多く、何よりも秀麿の生きざまに大いに心が揺さぶられた。読んで良かった!!2018/01/02

おせきはん

5
近衛文麿の弟で指揮者として活躍していた近衛秀麿が、ドイツで音楽活動をしながら、自らの身の危険を覚悟のうえでユダヤ人音楽家の亡命を助けたことを、綿密な取材により明らかにしています。実現はしませんでしたが、フルトヴェングラーのアメリカへの亡命を仲介したことにも言及されています。近衛文麿からの極秘指令を受けてアメリカとコンタクトをとり、アメリカの要求を受けて自らアメリカ軍の捕虜となった近衛秀麿の尋問を担当し、対日プロパガンダのための共同作業を行ったネルソン中尉が音楽でつながっていた話も感動的でした。2015/11/10

ゆうゆう

4
こんな人がいたとは知らなかった。命のビザと言えば杉浦千畝さん。だか、彼だけではなかった。日本人として、この時代に指揮者として、音楽家として、ヨーロッパで活躍されていただけてもすごいのに、演奏家の亡命にもし尽力していたなんて、私は知らなすぎた。音楽は国境を越える。思いも越える。時の総理、近衛文麿の弟、秀麿。すごい物語だ。2017/02/12

くらむ

3
戦前、戦中のクラシック音楽界の巨匠たちとの交流には興奮する。しかし、本書の後半になるにつれ、調査が大変だった話が長く退屈する。その割に確実な情報が少なく消化不良。もっと芸術家としての秀麿の側面も紹介してもよかったのでは。2018/05/03

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