内容説明
心の世界はあるのか。あるとすれば、それは科学的に証明できるのか? 人は何処より来たりて、何処へ去るのか? 人はなぜ生きているうちは見えるのに、死ねば見えなくなるのか? 心の世界のあの世と、物の世界のこの世はつながっているのか? つながっているとすれば、どちらが実像でどちらが虚像なのか? 人の心なくして、この世(宇宙)は存在しないのはなぜか? 祈りは願いを実現するのか?……これらの問題を、量子論を通して考えてゆくと、意外な事実が明らかになってくる。それが、理系的思考に慣れていない人にも読めるよう、平易に表現されており、これらの問題を考えたことがなければないほど、知的な興奮を呼び覚ましてくれる。「人類究極の謎」を量子論から科学的に解き明かす、瞠目の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかぴ
23
再読。以前に読んだときよりも少しだけ量子論について自分の理解度が上がっていると思う。その上でこの本は量子論の説明がわかりやすいと感じました。そしてまだ解明(証明)されていないことのほうが圧倒的に多いのだろうと思います。元々の説明ができないが感覚的に知っていた世界を誰にでも説明出来るようにすることが今の科学や哲学が感覚を無視していたが量子論により、遠回りをして感覚的なことを大事にする世界に来ている過渡期のような気がします。どうもありがとうございました。2020/04/19
デビっちん
21
再読。「見えない波動性の心の世界のあの世」と「見える粒子性の物質世界のこの世」が相補的につながっている物心一元論の世界観を科学的に解説してくれています。瞑想から到達した東洋の太極図の思想と、科学から到達した西洋の量子論の思想という、2種類の叡智のベクトルが同じ結論に至っているのですから、これこそが真理だと感じられます。前回はがんばって読んでいましたが、今回はワクワクしながら読めたのは、あちらの世界への認識が高まってきたからってことにしておきたいと思います。それにしても、明快な論理だなぁと溜息がでました。2017/03/22
澄
15
「マクロの世界の万物は、その基をたどればすべてミクロの世界の原子(素粒子)からできているから、マクロの世界のこの世もまた何らかの形で、不可解(不確定)なミクロの世界のあの世の影響をうけている」・・・ 量子論より心の世界を説明していく。思考が現実となることを化学をもって証明か。これからは「心の世界」が到来する。E=mc E(エネルギー=波動)はm(物質)とイコールである。個人的には途中からタイムマシンへの興味津々と、、、2015/12/07
デビっちん
12
量子論を介して「見えない心の世界のあの世」が存在し、「見える物質世界のこの世」と相補的につながっていることを科学的に解明した。量子論が解き明かす世界って凄い。この世とあの世の境界領域は、互いに干渉している。波動の原理と波束の収縮性の原理により、祈りは願いを実現する。空間のほうが物質よりも真の実態であり、空間こそが万物を生滅させる母体である。「空即是色、色即是空」量子論の考え方を取り入れていた、般若心経ってすげー。2015/10/01
Machida Hiroshi
6
こんなに格調高い文章の量子論は他にあるのでしょうか。繰り返し言葉を変えて語られる内容は重層的で、まるでオーケストラの音楽のようでした。通奏低音のように響く量子論をベースにしながら、その上で様々な音色で少しずつメロディーを変えて何度も繰り返されるテーマを読み解いていくのは非常に楽しい仕事でした。 本書は京都大学の名誉教授である著者の「あの世」と「量子論」への愛が満ちた書です。2015/09/16