ちくま学芸文庫<br> 鎌倉仏教

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ちくま学芸文庫
鎌倉仏教

  • 著者名:佐藤弘夫【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480095916

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内容説明

法然、栄西、親鸞、道元、日蓮、一遍―彼らを開祖として鎌倉時代に相次いで勃興した新たな宗教運動は、日本思想史上の頂点をなすと広くみなされている。「鎌倉(新)仏教」と呼ばれるこの潮流は、民衆を救済対象に据えたという点において、とりわけ高く評価されてきた。だが、新仏教の意義は、はたしてこの民衆的性格に言い尽くされるのか? 本書では、旧仏教との異同を深く掘り下げて考察することで、鎌倉仏教の宗教的特質の核心をあざやかに浮き彫りにする。思想家である前につねに実践の人であった偉大な宗教者たちの苦悩と思索の足跡をたどり、中世仏教の生きた姿をとらえた好著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

62
鎌倉仏教はそれぞれ初代のみ革命的だったのですね。 前書きは難しいですが、本文は平易です。 第7章、富士市の岩本実相寺、1279年の、熱原法難(日蓮教団弾圧事件)について。 岩本山は花見に行ったばかりだが、この事件、知らなかった。2023/03/23

樋口佳之

41
彼らは専修念仏と出会うことによって初めて、荘園体制下の宗教的支配の呪縛を断ち切る論理を手にすることができた。/祖師さえも意識しなかった、その思想に内包されていた革新性を真に理解し、みずからの生き方の指針としたのは、既成教団や権力との妥協にのみ心を砕いたプロの僧侶ではなかった。むしろ失うものをもたない名もなき民衆たちだったのである。そして、それは日蓮の宗教についても同様であった。/各宗派の概説かなと読み出したのに、思いの外熱い議論でした2020/08/11

り こ む ん

38
ぽん!と、気になり手をだしたけど、コレだけ読んでも理解はできない。もっとイロイロ読み込まねば…痛感しつつの感想→単に宗教の「民衆化」を述べたものでなく。時代背景、法然、日蓮らの思想から、どのように「民衆化」「易行化」が生まれ根付いたかを教えてくれる本。伝統仏教と幕府の対立、弾圧で、祖師の思想は、廃除修正を余儀なくされつつも、今も脈々と続いている宗教とは、不思議なものだな。巻末の文献案内を参考に、もう少し掘り下げてみたいテーマ。2014/04/27

kana

27
目を開かされるってこういう時に使うのかな。鎌倉仏教関連のことって何度暗記してもすぐ忘れる事項の筆頭でしたが、本書を読んで初めて、法然や親鸞の生き様に彩りが生まれたような感覚。すなわち、権力と結びつき死後までも格差の縮まらない仏教のあり方に疑問を覚え、貧富の差なく誰しもが救われる世界であるべきだという確固たる意志のもとに生まれた新仏教の姿に心揺さぶられました。解釈はあくまで手段。著者が思想の質を評価する基準として当時の人々の胸に、実際に希望の灯を灯すことができたかが大切だと熱く主張するところにぐっときます。2021/11/28

はるわか

18
民衆への仏教の浸透は鎌倉新仏教の専売特許ではなかった。新仏教以前に仏教は人々の間に定着し、その世界観や意識や行動に影響を与えていた。しかし、仏教への結縁は、彼らが荘園体制下の支配イデオロギーの磁界に取り込まれることを意味していた。ひとたび帰入したとき、離脱や反抗は仏神への敵対として呪詛と脅迫が加えられることになった。鎌倉期に相次いで成立する法然・親鸞・道元・日蓮らの宗教は、そうしたイデオロギーの呪縛を断ち切るための論理を提供するものであった。2016/04/14

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