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内容説明
人前で妻をバカにする夫、「男の責任者を出せ」と騒ぐ男性客、女性上司に反発を覚える男性社員、女性の結婚・育児・家事にまつわる社会の無言の束縛や圧力……。男女平等社会は当然と思われるようになった今もあちこちで目にする男性優位の“上から目線”。なぜ今も? 家庭や地元で刷り込まれたからか? 無意識か? そこに潜む意外な精神病理を、注目の精神科医が分析。男と女のわかりあえなさを踏まえつつ、お互いが歩み寄る糸口を探る、新しい男女の解剖書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
103
読友さんの感想から。世の中に蔓延する男尊女卑がどこから来るのか、実例を交えて解説する。なかなか興味深い内容で、解りやすく、読みやすい本だったけれど、「ファルス羨望」などのフロイトの精神分析理論の引用には何となく「こじつけ感」があってあんまりピンとこなかった部分も。当然、社会的な男女間の差は無くしていくべきだろうけど、今の社会状況を見るとなかなか難しいように思えます。これは性別に限った話じゃなくて「お互いの違いを認めながら、相手を尊重すること」が最も求められてることなのではないでしょうか。面白く読みました。2016/04/08
ぼのり
48
「男尊女卑」思想は幼少期から無意識のうちに刷り込まれ、今も昔ほど露骨ではないものの依然あると思う。身体的特徴が違う以上、全てにおいて男女平等というのは難しいだろうし、平等が必ずしも幸せとも限らないのもわかる。でも結局のところ「男尊女卑に敏感になり過ぎず、そういうものだと現実を受け入れて、柔軟に対応する術をある程度身につけるなり、スルーする力がないと生きづらいよ。」と言っている。女性としてモヤモヤした読後感だけど、男尊女卑のカラクリはよく分かった!男性の皆様にはぜひ感想を賜りたいですね〜(2019-060)2019/03/03
リキヨシオ
37
女性の積極採用、女性の社会進出、女性役員の増加などが、男女平等社会が進んでいるようにみえるけど、まだまだ「男性優位の社会」「男は仕事、女は家庭」という「男尊女卑」の価値観は存在する。世界的にみても日本は先進国で女性の社会的地位は低いという。そもそも社会の仕組み自体が男性中心を前提に作られていて、女性側が男性社会に合わせないとうまくいかないのが現状になっている。そして女性芸能人や女性政治家が起こすスキャンダルは男性が起こす時よりもバッシングが酷いし、期間が長引いている。やっぱりこの価値観はまだまだ根深い。2015/10/04
うさうさ
36
著者から見た社会の男尊女卑と思われる点をつらつらと解説。事例はよく分かるけれど、それが男尊女卑にあたるかと言われるとピンと来ないものが多い。フェミニストと呼ばれる人たちにも感じるけれど、男尊女卑とか男女平等という言葉に敏感すぎる。そもそも男女は違うもので、得て不得手も違う。その特色を生かした振る舞いや扱いでいけないのだろうか、と思う。2016/02/09
とよぽん
32
男尊女卑、とは社会的・文化的・精神的な傾向を指すのだろうか。個人的な違いや程度の差もあるが、その傾向を「病」と断定して、社会や家庭での問題事例を数多く挙げている。精神科医としての立場から、筆者は今の日本社会の問題を論じているが、ならば、治療の方法は?・・・・・で読了。2018/04/12