内容説明
太刀川要が深夜に遭遇した異様な大きさの黒犬は、半死半生の状態だった。動物病院へ駆け込むと、不可解なことに判別不能の犬種で獣医も戸惑うばかり。やがて始まった共同生活は、かたくなに孤独を貫く男の見慣れた風景を変えていく。そして湧き起こる、ある疑惑の真相とは――。ジョンの眼差しを通じて見つめる人の営み、滑稽さ、哀しみ。淡く胸に迫る大人のファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
123
初読み作家さんです。狛犬が生身の身体になれたら…傷付いた大きな黒犬を保護したフリーの設計士である太刀川要。この終わり方だったら続編ができそうなので是非お願いしたいです。 これさSFか?ファンタジーか?ま、どちらにしても私は好きです。11月1日ワンワンワンの日に読了できた事が嬉しいです。2015/11/01
タイ子
90
太刀川要が深夜のドライブの途中で大ケガをした黒い犬に出会い動物病院で治療をするも普通の犬と何かが違う、何故かわからぬまま家に連れ帰り治療と世話をする事に。ジョンと名付けられた黒犬との共同生活が始まる。物語は要の日常生活とジョンの目から視える不可思議なる人間の営みが並行して描かれ、読む方は狛犬だと分かっているので面白い。偶然要が目にした週刊誌の記事であの夜に起こった事件を知る。狛犬だったジョンが人間界に出現した理由は?真相解明の終盤は一気読み。SFとは言え神の領域に人間が立ち入ることの無礼さを改めて感じる。2021/02/24
Rin
77
犬は犬でも、狛犬。狛犬に意識が宿り自己を持つ。神社の狛犬が訪れる人々を観察していたら、人の言葉を理解していたら?そして犬としての姿をもって自由を得たら。そんなジョンが人と出会って、ペットとして太刀川さんと暮らす光景はとても楽しかった。ジョンから見た人間の姿、人から見たジョンの不思議な存在感。そして自分とは何なのか?という答えのでない問題。そんなメッセージがありつつも、不思議なジョンと太刀川さんに少しずつ絆が生まれていく、その過程がとても微笑ましかった。最後にジョンが選んだ道の先に何があるのか気になります。2017/11/05
七色一味
77
読破。タイトルからしてネタバレしてるので、結構分厚いのでどう興味を繋ぐのかが気になった、ある種倒叙的な作品。帰るのかと思ったら帰らなかったな。まぁ、神さまのお使いである以上、思うところもあるんだろうから、帰れないか。どこに向かうのかな、ジョン。2016/03/02
タツ フカガワ
66
建築設計士の太刀川要は千葉県銚子市近くをドライブ中、突然車の前に大きな黒いものが飛び込んでくる。それは超大型の犬で、肩から脇腹にかけて刃物による傷があった。要は自宅近くの動物病院へ駆け込み一命は取り留めるが、病院中の動物が異様な鳴き声を上げたことから自宅で世話することに。じつはこの犬、人間並みの頭脳を持つ“犬”だった。これまで読んだ垣根さんの作品とは異なるファンタジー作品。これもありですね。面白かった。要と麻子の関係、“君たちに明日はない”シリーズの真介と陽子を想起。2025/06/06
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