池上彰のそこが知りたい！ ロシア

著者名：池上彰【著】

徳間書店（2015/08発売）

• ISBN：9784198639594

内容説明

日本とロシアの関係はどうなるのか？　北方領土問題の行方は？　池上彰が完全解説する最新ロシア事情。池上彰は言う。「ロシアは北方領土問題を解決したがっているんです」。さらには「ウクライナ問題」「野党指導者の暗殺」「アメリカとの新・冷戦時代」「中国との急接近」「独裁者プーチンの野望」……。日本人が知っておくべきロシアと日本の「密接な関係」とは！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[みゃーこ]

東西冷戦を経て、プーチン帝国世界で最も影響力を持つ男の野望がどこに向かっているのか、ロシアが仕掛ける新冷戦時代、資源をめぐる新たな利権など。日露の今後について意外に深いことを再認識。現状から過去と未来を分析するために必要な知識と情報がつまっている。２１世紀は宇宙開発、北極資源紛争、日本がどの立ち位置で交渉を目指すのかますます外交交渉が課題になっていることが迫っていると実感した。それにしても暗殺国家おそロシア。大国を支配するにはどうしても独裁者の君主制が必然なのか、と思い至った。

2015/10/16

[p.ntsk]

ソ連誕生から現代のロシアとくにプーチン時代を中心に北方領土問題などにも触れながら分かり易く解説しています。ウクライナ問題以降欧米との対立を深めているロシア。原油価格の暴落や経済制裁の影響で日本から技術支援や経済協力を引き出したいところ。日本としても平和条約の締結と北方領土返還への道筋をつけるチャンス。トランプ次期米大統領の誕生で日・米・露と新たな関係が生まれそう。日本としても独自外交の第一歩となるか安倍・プーチン会談の行方に注目したいです。

2016/12/15

[糜竺(びじく)]

自分の中で少し、ロシアはどういう国なのか気になっていて、テレビでもおなじみで有名なジャーナリストの池上彰さんがロシアについて本を出しているとあって読んでみる事にしました。ウクライナ情勢や、北方領土返還問題、スパイ国家、ソ連はなぜ崩壊したか、プーチン大統領、についてなど色々と分かりやすく池上節で書かれていました。個人的に特に驚いたのは、プーチン大統領にたいして批判的なジャーナリストや野党指導者などが多数暗殺されている件です。また、政府に批判的なメディアもほとんど無くなっている現状にも驚きました。

2018/06/21

[キムチ]

学生時代、おんなは政治を語ると可愛くないという風潮だった。この歳になり「それはないぞ」と考え、遅まきながら学び始めると面白い。これは解り易い1冊。あの表情、語り口さながら。巨大な国ロシアが欧州との間に東独、韓国との間に北鮮、そしてアフガンへと常なる「緩衝地」を作り続けた発想に衝撃。クリミアに執着したことは不凍港だった為は有名だが。北方領土返還の紆余曲折・KGBそしてプーチンに至る流れと殺しのライセンスも無気味で興味ある。メドベージェフと交代劇であっと驚かしたプーチンは2024年まで命脈を保つか？！

2017/08/26

[Isamash]

2015年8月徳間書店より出版。読みやすかったが目新しい話は殆ど無かった。ただプーチンの歩みをこう辿るとチェチェン戦争で英雄となりグルジア戦争で国民の大国意識に答えクリミア併合で人気増進と、戦争により立場・権力を強化してきてることに気づく。そしてウクライナ侵略は予想できたとも。なお2000年から2015年までの暗殺されたプーチン批判者一覧（8名）には怖さを覚えた。4名が射殺、2名が放射性物質による毒殺、後は浴室で不審死と心臓発作死。しかも2人はロシア外。見せしめなのか、殺人を隠そうとしてない様にも思える。

2022/03/25