貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

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貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

  • 著者名:柳美里【著】
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • 双葉社(2015/08発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575308679

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内容説明

芥川賞作家の柳美里が『創』から原稿料を支払われないとして、話題となったが、本書はその『創』の連載を「お金」「貧乏」にまつわる話を中心にまとめ、新たに加筆した問題作だ。『創』出版との印税未払いの顛末記も書かれており、芥川賞作家が困窮する衝撃のエピソードが明かされる。全国には300万人の非正規雇用者がいるが、彼等に向け「貧乏でも幸せ生きる」意味を問う作品となっている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

83
初著者。2015年発表。狙いの「JR上野駅公園口」がなかったのでこれを借りる。困窮生活の日記と雑誌の稿料未払い騒動をまとめたもの。破産手続きをししたほうがいいほどの借金があり、水道代さえも払えないことを愚痴る。ベストセラーがいくつかある作家だが、東由多加の未承認がん治療の渡米代や医療費や彼の墓につかったのだと。正式な夫婦でもないのにそこまでしなくてもと、世間的には思うのだが…… 個人的には、マラソンや登山に楽しむ著者に驚く。そのイメージはなかった。金がなくても、走ることと虫を飼うことはできると著者。2020/12/04

nyaoko

80
節分の日に「貧乏の神様」を読んだ。「家族シネマ」「命」四部作、そして映画も見た。裸同然、ペン1本で戦って生きてる人だと思った。『創』原稿料未払いの話は当時は驚いた。報道で決着を知り、一昨年「ねこのおうち」でインタビューに答える彼女を見て「あぁ、なんだか憑き物が落ちたみたい」と思った。鬱病に苦しみながら、ガムシャラに書いて書いて書きまくる柳美里。貧乏だけどそれが何か?と言う、決して強がりではない彼女のパワーに惹かれる。2018/02/03

どんぐり

70
2009年3月26日。遂に、金策に窮してしまった。芝居があるのに池袋に行く電車賃がない。息子が帰宅する日に食費がない。新聞の折り込み広告を見て、貴金属・ジュエリー買取りの店へ金策に走る柳美里。これは芥川賞作家による「わたしに小説を書かせてくれているのは、貧乏の神様です」という困窮生活記。貧乏には貧乏であることの困窮生活があるが、柳家の家計のバランスシートがないので、読者にはその実態はわからない。現在、作家で印税生活ができるのは村上春樹や東野圭吾、時に一発芸でベストセラー作品をものにする芸能人など限られた人2016/01/29

あつこんぐ

33
図書館本。名前は知っていましたが触手がのびなかった作家さん。だが、しかし。この本を読んで俄然興味が湧きました。壮絶という言葉しか出てきません。この人についていける同居男性も凄いなと思いました。今はガムシャラに家族の為に働いているけど、息子さんが巣立った時どうなるのか心配です。命を削って作品を作る凄い作家さんです。 2018/05/25

ころこ

32
「けれど、書くことを仕事に選んだ18歳の時から、金銭的や時間的には無理はしても、自分の性分や生き方には無理のない仕事をしよう、とわたしは決めたのです。」ということで、著者の貧乏はお金の近い方が下手だからです。こういうひとはよくいます。本人が自覚的だし、副業で文筆業をするひとが多い中で今どき珍しい小説家です。文章が上手い作家かというと全然そうではありません。「透明感がある」とか洗練されているとかではなく、技巧が無いための裸の文章。あまり評価の高くない理由は文章にあるといっても良いでしょう。原稿料督促のメール2020/10/06

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