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内容説明
陸軍士官学校を主席で卒業し、陸軍大学では成績優等者として恩賜の軍刀を授与された「陸軍の至宝」永田鉄山。
50歳にして陸軍省の要職、軍務局長に抜擢されたが、その1年後、白昼の陸軍省内で現役の中佐に斬殺されてしまう。
後年、「永田がいれば大東亜戦争は起きなかった」とまで評された男は、なぜ殺されたのか。怪文書が飛びかい、クーデター計画が相次いだ陸軍内の「派閥抗争」の渦中で、永田が闘い続けたものとは何か。
日本近代史上、類のない衝撃的な事件の真相に迫るノンフィクション評伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
58
永田鉄山暗殺までの大きな流れを俯瞰していく。一部、歴史的事実の捉え方や当時の細かな描写は、著者の思いが影響しているようにも思うが。自分の発言に命をかけた時代。それが手放しでいいとは言わないが、指揮官は覚悟だけは無くしてはいけない。2021/03/10
skunk_c
52
永田鉄山の人となりについては、好意的立場からの記述が中心で、懐の深い、誠実だがユーモアもあり、家族思いの人物像が結ばれている。軍事思想としては外交重視で、総力戦下においては国家総動員体制を構築した上で、得るものの少ない戦争はできる限り避けるべきと考えていたとのこと。ただ、本書の歴史記述は極めて荒く、革命直後のソ連が脅威だとか、一面的な国際連盟の位置付けだとか、張作霖爆殺ロシア陰謀説をほのめかしたりと、かなりお粗末。評伝は歴史の中に人物をきちんと位置づけるのが重要だが、土台があやふやだと価値も薄れるのでは。2020/10/29
James Hayashi
40
陸軍の超エリート。彼の思想的なものは見えてこなかったが、彼の生涯と陸軍内の派閥抗争など書き記されている。陸軍の中心人物であり、その抗争ゆえ暗殺され、彼の死後の陸軍は「タガの外れた桶であった」という。その翌年226事件、支那事変と続き軍部の迷走が見られた。個人的には永田氏が生き残ってもいても大東亜戦争に突入していったであろうと思う。2018/08/29
kawa
31
昭和初期陸軍のエリート軍人永田鉄山氏の評伝。わが町近在の諏訪市出身、良識派の秀才タイプで当時の軍部の仕切り役を担う。1935年、惜しくも51歳で皇道派・相沢三郎中佐により陸軍省の執務室で殺害される。彼が生きていたら太平洋戦でのあのような悲惨な敗戦はなかったとの意見や、後輩の東条英機が私淑していた等の話しもある。正に歴史のIFなのだが、異なる風景が展開されていた可能性は大いにと想像できる。岩波書店創業者・岩波茂雄氏や気象学者の藤原咲平氏(藤原正彦氏の大伯父)との交流も。母君は安曇野市重柳出身も初知り。2025/05/07
Tomoichi
22
226事件などで語られることの多い皇道派については若い頃から多少は読んでいたが統制派についてはほとんど読んだことがなく、永田鉄山についても斬殺された統制派のリーダー程度しか知らなかったのでここでお勉強。多少永山を持ち上げ過ぎているきらいはあるが、なぜ人々が永山が生きていればと語るのか理解できる。皇道派のファナティクな思想よりはより正気であることは確かだ。2024/09/23
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