内容説明
社会で生き抜くために最も有効な武器である「教養」とは何か。特捜事件での逮捕・勾留・裁判を経験し、いま言論界で大活躍する著者が、この武器を読者と共有したいという思いで、これまでに発表した論考、座談会、外交官時代の論文などを厳選して一冊にまとめた。著者の実践的思考法のすべてがわかる10のインテリジェンス講座。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
117
2015/8/4 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2018/4/1〜4/8 佐藤優氏の作家10周年記念出版。 全10講座からなるが、ベースにあるのは、「教養」。大学から教養教育が消え、実学志向が強まっているが、そのことが日本人を劣化させているような気がして仕方ない。成果主義が強まって、どこもかしこも、成果、成果であるが、短絡的なことだけでは、長期的なヴィジョンを持てないだろう。昔の教養に戻る必要は無いと思うが、新しい時代の教養教育が必要だと思う。2018/04/08
KAZOO
117
さまざまな人との対談や教養や読書関連のコラムをまとめたもので、いつもながらに私の知的好奇心を満足させてくれます。受験サプリなどをやられていることには驚きです。また数学の問題集をやられていることは同好の士でもあり納得しました。とくに山内先生や堀江さんとの対談は楽しめます。お勧めの本が結構出てくるのでチェックが大変です。2017/11/20
ehirano1
86
850円ですばらしい「知の教室」という講義を受けてしまってなんだか申し訳ないです、と云うくらい有意義な読書時間を過ごすことが出来ました。再読して血肉にします。2017/09/17
キク
72
佐藤は月に300冊の本を読み、今まで6500万円分の本を購入したという。本書では池上彰とも対談しているけど、池上は毎日10紙の新聞を読み込むという。「職業としての知識人」な二人なので、「知らないです」とかなかなか言えないよな。僕なんかだと面倒な時とか「バカなのでわかりません」とか言っちゃうけど。この二人のようになりたいかと訊かれると遠慮したいけど、逃げることなくノブリス・オブリージュ(位高ければ徳高きを要す)をきちんと果たそうとする二人は凄いなと思うし、その成果である二人の本を読めるのは、本当にありがたい2023/02/26
壱萬弐仟縁
58
何の役にも立たないように見える教養こそが、中長期的視点からは、役に立つ(9頁)。佐藤先生推薦の、近代を知るための10冊は、芳沢光雄『論理的に考え、書く力』。大石孝雄『ネコの動物学』。リッケルト『認識の対象』。野矢茂樹『論理学』。與那覇潤『翻訳の政治学』。ライプニッツ『モナドロジー』。長谷川端『太平記』。ゲルナー『民族とナショナリズム』。宇野弘蔵『経済原論』。藤原智美『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』(123頁)。2016/11/17